【石田洸介】陸上界の「スーパー中学生」、今春から東農大二高校に進学

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※ 写真は「ベースボール・マガジン社」より

自分は市民ランナーなのだけど、大きな公園で練習していると、たまに地元の小学生たちが元気よく走っているところに出くわすことがある。そして、大人気なく”抜きつ抜かれつ”のデッドヒートを繰り広げるのだが、何人かランニングフォームがお手本のようにキレイな子がいるのだ。

骨盤や股関節の動きをどうするとか、そんな難しいことは考えていないと思うから、おそらく本能のままに走っている状態。それなのに足の運びが惚れ惚れするほど美しい。こういうチビッコを見ていると、「持って生まれたものの違い」を嫌というほど感じるし、勝手に将来に期待したりもしてしまう。

福岡県・浅川中学3年の石田洸介(こうすけ)選手なんて、まさに”才能に恵まれた子供”の象徴だと思っていた。なぜなら・・・今年1月に行われた『全国都道府県対抗男子駅伝』の2区で驚異的な区間新記録をマークし、15人抜きを達成。このレースはNHKで生中継されていたのだが、ランニングフォームがめちゃめちゃキレイだったからである!

昨年、1500メートル・3000メートル・5000メートルで日本中学記録を樹立。そんな「スーパー中学生」の記事が、3月6日の『スポーツニッポン西部版』に掲載されていた。それによると、強さの秘密は「生まれ持った心肺機能の強さ」と「3年間で足の接地が格段に良くなったため」

中学入学時は”かかとから着地する走り方”だった石田選手は、フォームの矯正を目指し、3年計画で「フォアフット走法」の習得に取り組んできたとのこと。きつい走り込みや筋トレなどは一切行わず、ひたすら動きを整えるトレーニングとフォームの改善だけに励んだ結果、”つま先から抜ける効率的な走り方”ができるようになったそうだ。

「常人の域をはるかに超えたパフォーマンスに圧倒され、それがすさまじい訓練と経験の積み重ねの成果であることが想像できないと、なにも考えずにただ”生まれつき才能がある人”と決めつけてしまう」(やり抜く力 GRIT/アンジェラ・ダックワース)


自戒の意味も込めて、上記のフレーズを心に刻みたい・・・。中学3年間、同学年には無敗だった逸材は、今春から群馬県東農大二高校に進学する。福岡県には駅伝の名門・大牟田高校があるのに、わざわざ他県に出ることにした理由とはー。

 

① 東農第二の城戸口監督が、浅川中学の大田監督とほぼ同じ考え。
② 個性を伸ばしてくれる指導、環境だから。
③ 監督同士が日体大の先輩後輩の間柄で、今後も密に連絡を取り合っていける。 

 
大田監督の考え方というのは、「中学は世界を目指すための一過程。完成する必要はない」。だから、目先のインターハイ高校駅伝で結果を残すためというよりは、「トラックで世界と勝負したい」という未来から逆算して進路を選んだという印象を受けた。

東農大二と聞いて「なぜ?」と思った陸上ファンも多かったと思うけど、”先の先”を考えているランナーは、きっと周囲とは全く違う景色を見ているのだろう。

かつてスピードスケート界で「スーパー中学生」と呼ばれていた高木美帆選手は、ソチ五輪に出られなかった挫折から立ち直り、平昌五輪でメダル3色コンプリートという偉業を成し遂げた。若くして注目を集めたアスリートが、その才能を開花させられずに消えていく例はいくらでもある。でも、右肩上がりのトントン拍子にはいかなくても、また復活してトップレベルに返り咲くこともある。

石田選手が樹立した数々の中学記録は「腕立ても懸垂もできない」という未成熟な身体でマークされたもの。底知れないポテンシャルを感じずにはいられない。これから人生の「アップ&ダウン」を乗り越えて、逞しく成長していく姿を温かい目で見守りたいと思う。

 

石田洸介選手から学んだこと

「この人は生まれつき才能がある人だ」と勝手に決めつけない。すさまじい訓練の積み重ねがあっての結果。