人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【野村祐輔】広陵で準優勝だったあの夏から10年、ついに甲子園で優勝!

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(※ 写真はNumber Webより)

野村、甲子園胴上げ導く 10年前、決勝で散った聖地「持っているすべてを出す」(9/18 デイリースポーツより)

 優勝へのマジックを「1」としている広島は、野村祐輔投手(28)が37年ぶりのリーグ連覇が懸かる18日の阪神戦(甲子園)に先発する。17日のヤクルト戦(マツダ)は台風接近により、午前9時45分に中止が決定。通常通りマツダスタジアムで最終調整した右腕は気合十分。敵地甲子園での胴上げを誓った。「できること、やらないといけないことをしっかりやっていく。残り(シーズン)わずかなので、持っている力を全部出したい」。
 舞台は10年前、夏の甲子園大会決勝で悲劇的に散った聖地。その話題を振られると「そう来ましたか」とクスリと笑い、「自分の持っているすべてを出すだけです」とサラリと受け流した。過去は振り返らない。野村はもっと先に視線を向けている。リーチをかけている2年連続2桁勝利も「自分のやることをやって、結果は後から」と強調。「優勝が決まれば、その先がある。そのための準備がある。クライマックスシリーズ日本シリーズ。まだ目標がある」と力を込めた。


「スポーツは筋書きのないドラマ」だと言われるが、その場その場で各選手が全力でプレーをし、いろいろなことが巡り巡った結果、まるで「出来すぎた筋書き」があったとしか思えないような展開になることがある。

カープのマジック「1」で突入した秋の3連休。9月16日(土)のヤクルト戦は持ち越し、17日(日)は台風接近のため中止。残念ながら、本拠地・マツダスタジアムで決めることはできなかったけど、その結果、あの野村祐輔選手が甲子園で投げてチームが優勝するのだから、「巡り合わせの妙」のようなものを感じずにはいられない。

広陵のエース”として挑んだ07年夏の甲子園決勝。佐賀北を7回まで1安打に抑えていたが、4-0の8回1死満塁から押し出し四球で1失点。続く打者に逆転満塁ホームランを浴びて、準優勝に終わった。

押し出しを与えた打者に、カウント1-3から投げたど真ん中の直球を「ボール」と判定され、「えー、今のはストライクじゃないの?」というような驚いた野村選手の顔、そしてバッテリーを組んでいた”世界の小林”こと小林誠司捕手(巨人)が、ミットを何度も地面に叩きつけて悔しがっていた姿は、今でも覚えている。

あの夏から10年ー。いつもポーカーフェイスの野村選手は、今回の登板前も「いつもと変わらず頑張りたい」とだけ話していたそうだが、因縁の地・甲子園で、チームを優勝に導く6回1失点のナイスピッチング。本人はもちろん、高校時代からのストーリーを知っているカープファンの喜びもひとしおだろう。ノムスケ、本当におめでとう!

塗り替えたいんでしょうね、思い出とか記憶とか。
傷を思い起こさないために。塗り替えようとしているんです。
涼太との思い出も、涼太の中の痛い私の記憶も。
新しい思い出に替えちゃえばいいのかなーって。
今時の言葉で言うと、記憶を上書きするって言うんですかね。
(『続・最後から二番目の恋』で小泉今日子さんが演じる主人公、吉野千明のセリフ)


カープが優勝した前日の9月17日、歌手の安室奈美恵さんが、故郷の沖縄・宜野湾海浜公園で「デビュー25周年記念ライブ」を行った。2012年も同じ場所で「20周年ライブ」を開催予定だったのだが、台風の影響で中止に。晴天に恵まれた今回は、6年越しでリベンジを果たした格好となった。

自分の思い通りの展開にならなくて、回り道を強いられたとしても、元気で長生きして、ずっと第一線で活躍していれば、「目に見えない脚本家」が記憶を塗り替える(悔しい過去を清算する)機会を与えてくれるのだ。

「甲子園の決勝から感情を失った」と言われていた野村選手がビールかけではしゃいでいる姿を見て、普段はMCを行わないことで有名な安室さんが、珍しく「また遊びに来てね。バイバーイ!!」とファンに呼びかけたというニュースを聞いて、「記憶が上書きできて良かったなぁ」と思わず目頭が熱くなった、2017年の秋の3連休だった。

 

野村祐輔選手から学んだこと

苦い記憶は、新しい思い出に塗り替える。