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一流になれなかった元アスリートのブログ。憧れの存在であるトップアスリートの「思考・行動パターン」を真似したくて日々奮闘中。

【中田久美】グラチャン終了後のインタビュー中に、監督が悔し涙

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中田久美監督が5位に悔し涙「土台はできつつある」(9/10 日刊スポーツより)

<バレーボール:ワールドグランドチャンピオンズ杯>◇最終日◇10日◇名古屋市・ガイシプラザ
 日本は最終戦の中国戦で1-3で敗れ、今大会を2勝3敗の5位で終えた。
 選手が通り過ぎていく取材ゾーンで、日本代表の中田久美監督(52)がインタビューを受けていた。突然、後ろを向く。カメラに顔が映らないようにした。目元をぬぐい、必死に心を落ち着かせようとしている。目は真っ赤で、涙があふれている。カメラに向き直る。「どういう涙ですか」の問いに「悔しいですね。年取ると涙腺がゆるくなって」と言って、苦笑いを浮かべたが、複雑な思いがまじった涙に映った。
 やや時間をおいて再び涙の理由を聞かれると「どうしたんでしょうね。選手が、頑張ってくれたという気持ちだけです…」と言いながら、必死にこみあげる涙を我慢していた。(※写真も同記事から引用)


日本女子バレーボール界を長らく牽引してきた木村沙織さんが引退し、新生「中田ジャパン」の船出となった『ワールドグランドチャンピオンズカップ』(通称:グラチャン)。

今大会の対戦相手は、韓国以外は世界ランキングが格上のチームばかり。結果は2勝3敗の5位だったが、ストレート負けは一度もなし。ロンドン五輪金メダルのブラジルに勝つなど、見応えのある試合ばかりだったように思う。

今年4月に行われたフィギュアスケーター浅田真央さんの引退会見で、涙がこぼれそうになったときに、報道陣にくるりと背中を向けてこらえたシーンがあったけど、グラチャン全試合終了後の中田久美監督のインタビューでも、同じことが起こった。

最初は「よろしくお願いします」と普通に話していたのだが、突然、真央ちゃんのように後ろを向いて涙。しばらくしてカメラに向き直り、目元を拭いながら、「いや、悔しいですね。やっぱりね。(選手たちは)よく頑張ってくれたと思います、最後まで。ただやっぱり勝負事なので、結果にはこだわっていかないといけないと思うし。色々勉強になります」。

一生懸命やって負けた悔しさというのは、選手も監督も同じ。オリンピックや世界選手権につながるような大会ではなくても、本気で勝ちたいと思って臨んだ試合に負けたら、やっぱり悔しいのである。泣きたいとか、泣きたくないとかじゃなくて、悔しくて自然に涙が出てくるのである。監督のこの姿を見て、発奮しない選手はいないだろう。中田ジャパンはこれからきっと強くなる!

そんな中田さんといえば、やはり忘れられないのは、2004年の「てめぇら、コノヤロー事件」である。アテネ五輪出場を決めた日の夜、フジテレビの『すぽると』に生出演した選手たちが浮かれているのを見て、VTR中に「てめぇら、コノヤロー!」と怒鳴ったのが音声に入ってしまったのだ!映像がスタジオに戻ると、そこにはシーンと静まり返った選手たちの姿が・・・。

2015年、『世界陸上北京大会』の女子マラソンの選考で、横浜国際で優勝した田中智美選手(第一生命)が落選し、大阪国際で3位だった重友梨佐天満屋)が代表に選ばれたことがあった。タイムは2人とも2時間26分台。優勝者が落選するという前代未聞の事態に、増田明美さんが「これでいいんでしょうか?」と日本陸連の幹部に対して異議を唱えていた。

中田さんも増田さんも、現役を引退して、今はバレーボール協会や陸連から仕事を回してもらっている立場である。だから、内心どう思っていようと、番組を盛り上げるために選手におべんちゃらを言う。選考も一度決まったことは覆らないのだから黙っておく。これが「スマートな大人の対応」だと思うのだけど、2人はそういうことはしないのだ。

これから先の自分の仕事がどうなるかよりも、「バレーボール界」「マラソン界」のことを、何よりも第一に考えている。五輪で勝つためには出場権を獲ったくらいで浮かれていてはダメだし、結果を出した選手が報われない選考方法は絶対におかしい。だから生放送だろうと相手が誰であろうと、そのことをきちんと主張する。こういう”損得勘定抜き”の言動をする人は、人間として芯が通っていると思うし、個人的に大好きだ!

「てめぇら、コノヤロー事件」が起こった『すぽると』を見て、「中田さんが監督になったら、全日本は強くなるだろうなぁ」と思った人も多かっただろう。久光製薬を率いてプレミアリーグを3度、全日本選手権を4度制するなど、指導者としての実績は抜群。”最強”かつ”最恐”の監督で東京五輪を迎えられるというのは、選手にとってもファンにとっても本当に幸せなことだ。3年後の本番では、どうせなら嬉し涙を流す姿が見たい!

 

中田久美監督から学んだこと

”損得勘定抜き”の言動をする人は、人間として信頼できる。