人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【木村沙織】引退後、表舞台に出ないことにした理由とは?

f:id:skipp-beat:20170806115317j:plain

元バレー日本代表・木村沙織さん「私の中でバレーをしていた木村沙織はいない」(8/5 スポーツ報知より)

 元バレーボール日本代表木村沙織さん(30)が4日放送の日本テレビ系「アナザースカイ」(金曜・後11時)に出演。現役時代に遠征で訪れた思い出の地・スイスを訪れた。
 今年3月に現役を引退。現在は「私の中ではバレーをしていた木村沙織はいなくて。外の人って感じです」などと明かした。また今後の活動についても「表側より裏にいる方が好き」と話し、リポーターなどでバレーに携わることは「目指していないです」と話した。
 「バレーボール大好きだし、バレーはこれからも応援していきたいって思っています」と木村さん。バレー界への貢献については「チケット買って。そういうことで貢献していきたい」と話していた。


8月4日に放送された、元バレーボール日本代表木村沙織さんがゲストの『アナザースカイ』。彼女の性格の良さがこれでもかというほど滲み出ていて、本当に”神回”だったと思う。

昨年、ビーチバレーの日高裕次郎選手と結婚し、”専業主婦歴4ヶ月”。「起きて練習しない日は最高!」と笑っていた木村さんだが、22年間の選手生活では数えきれないほどの栄光を手にしてきた。

① 小学6年で東京新聞杯優勝
② 全日本中学校バレーボール選手権大会優勝
春高バレー優勝2回
Vリーグ優勝4回
⑤ トルコカップ、トルコリーグ優勝
⑥ 欧州チャンピオンズリーグ優勝
ロンドン五輪で28年ぶりのメダル獲得
⑧ 個人でのオリンピック最多出場記録(4回)


MCの今田耕司さんからも「全部優勝やん!」と言われていたけど、まさに”優勝請負人”というかんじ。こんなにもすごい選手なのに、普段は「全日本のエース」というポジションにはおよそ似つかわしくない”ほんわかしたオーラ”があって、発言も少し天然っぽくて、プレーとのギャップに惹かれた人も多かっただろう。

この番組でも、「モント・・・モントルー大会だっけな、なんかそーゆー大会」(※正しくは「モントルーバレーマスターズ」)と10回以上も出場しているスイスの国際大会の名前を覚えていなかったり、以前、何かの映像で見たのだけど、木村さんの東レの寮の部屋には、世界バレーでとった銅メダルがベッドのフレームの角の部分に無造作にかけられていた。こういう細かいことを気にしない大雑把な性格も、”サオリン”の魅力の一つである。

今年3月、惜しまれながら現役を引退。木村さんほどの知名度や人気があれば、セカンドキャリアもメディアから引っ張りだこだろうに、本人が選んだ道は「表舞台に出ない」。その理由とはー。

■ どっちかというと、表側にいるよりも裏にいる方が好き。
■「今日はお疲れ様でした」ってマイクを向けるリポーターは(自分にとっては)表。イメージが沸かない。
■ 現役の頃から、自分にばかり注目が集まることに違和感があった。
■ バレーは一人ではできないスポーツ。みんなの繋がりが大事なスポーツ。全員の愛が1点となる。思いやりの連鎖。
■ 最後の1点は決めた人の点数じゃなくて、みんなの点数。
■ いいレシーブやいいトスがあるから、いいスパイクを打てる。一人じゃできない。
■ ”エース木村沙織”って言われるけど、「みんなでやってるのにな」っていう思いがずっとあった。
■ 今、バレーに携わってしまうと、自分に取材がきてしまう。「もっと選手を撮ってあげて」って。
■ 古賀紗理那選手(NEC)に対しても、「木村沙織2世」とかそんな風に言わないでほしい。


表舞台に立たないことにしたのは、「現役で頑張っている選手たちの邪魔をしたくない」から。バレーボールが嫌いになったわけじゃない。でも、自分が表に出ると、どうしても注目されて目立ってしまう。バレーボールは繋ぐスポーツ。もう次の世代にバトンは繋いだから、これからは観る側に回る。「会場でいっぱい応援したい。ちゃんとチケットを買って、そういうところで貢献したい」

きっと木村さんは、自分が周りからどう見られていて、どんなふうに振る舞えばいいのかがよく分かっているのだと思う。いつだって優先するのは、「自分がどうありたいか」ではなく「自分はどうするべきか」。それを考えて行動できる、”本当に心の優しい人”なのだ。元全日本のエースが「これからは表に出ない」というのは、バレーボールファンにとっては寂しいことだけど、謙虚で控えめな彼女の人間性がよく出ている決断だと思う。

2003年、17歳のときから日の丸を背負い続けること13年。人生の早い時期からスポットライトを浴びた分、しんどいことも人一倍多かったはず。「失われた青春を取り戻せ」じゃないけど、しばらくは旦那さんと穏やかな生活を送ってほしい。愛犬や料理の写真がたくさん載っているインスタグラムを見ると、今はとっても幸せそうだ。

木村沙織さんから学んだこと

アスリートの「引き際」には人間性が出るもの。