人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【船木和喜】百貨店でアップルパイを売りながら、現役を続ける金メダリスト

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「ジャンプの船木」百貨店でパイ売り 現役続行の陰で(7/23 朝日新聞デジタルより)

 スキージャンプ長野五輪金メダリスト、船木和喜さんは従来型の支援体制から飛び出し、42歳のいまも現役選手として飛び続けている。アップルパイの販売を手がける経営者としても、後進の支援に独自のスタイルを模索する。東京五輪が3年後に近づくなか、スポーツ選手を支え、育てる体制は十分なのだろうか。(※写真も同記事より引用)


7月24日で、「平昌五輪まであと200日」となった。オリンピックが近づいてくると、「あの人は今」みたいなかんじで、過去のメダリストの近況が話題になる。

1998年長野五輪で金2、銀1、合計3個のメダルを獲得した、スキージャンプ船木和喜選手の現在の様子が、7月23日の朝日新聞デジタルに掲載されていた。上記記事、続きがけっこう長かったので、簡単にまとめてみる。

■ 今も現役を続ける傍ら、アップルパイの販売を手がける経営者をしている。
■ 年に十数回は全国の百貨店を回り、催事場でアップルパイを売っている。
■ 故郷の北海道余市町産のリンゴを使って、何かできないかなと思った。
■ パイの重さは、長野五輪の金メダルとほぼ同じ。
■ 最初は信用がなくて、催事場への出店契約はすぐには結べなかった。
■ 今も売り上げは厳しい(船木選手が行かないと売れない)
■ 売り上げでジャンプをやる子供たちを支援。これまでに贈った用具は6500点以上。
■ 北海道江別市に小さなジャンプ台を手作りで整備。「子どもが競技を始めるきっかけにしたい」。
■ 12年には選手の受け皿を増やすため、北海道恵庭市の専門学校にスキー部を作った。


今は、現役ジャンパー、経営者、スキー部の指導者という「3つのわらじ」を履いて、頑張っているようだ。別にお金持ちになりたいわけではなく、生活に困っているわけでもなく、すべては「次世代の支援」のため。五輪でメダルを獲ったあと、高級車や高級時計など”私利私欲”に散財するアスリートも多いのに、その志の高さには本当に頭が下がる。

活動費用を賄うためのスポンサーも、飛び込み営業をして見つけてきたそうだ。言うまでもないことだが、船木選手は”オリンピックの金メダリスト”である。自分一人だけなら、ジャンプの解説やコーチ、講演などで十分に食べていけるはず。きっとそれが一番”楽な生き方”なのに、プライドを捨てて、時には「お前、もう終わった人間だろう」と罵言を浴びせられても、自分の足で1万社ぐらい回って資金を集める。これはなかなかできることではない。

昨年1月に現役引退を表明した、元なでしこジャパン海堀あゆみ選手が、今年5月から九州女子リーグの「熊本ルネサンスFC」で現役に復帰した。現在は慶応大学に在学中で、平日は女子サッカー部の指導をして、週末に熊本に通っているそうだ。移動の時間と労力をかけてでも、女子サッカーに恩返しがしたかった」

五輪やW杯で「世界の頂点」を極めたアスリートが、競技の裾野を広げるため、そして後進の育成のために、実に”泥臭い生き方”をしている。傍から見ると、「そこまでしなくても・・・」と思ったりもするけど、行動に筋が通っているし、一人の人間としてすごく素敵でカッコいい。

長野五輪で金メダルが取れなかった悔しさをバネにして、今も第一線で飛び続けている葛西紀明選手(45歳)も相当すごいと思うけど、現役選手のまま、次世代を支援することにも取り組んでいる船木選手(42歳)も、同じくらい”レジェンド”だと思う。彼のお店の名前は「王様の工房」。金メダルと同じ重さのアップルパイを、いつか自分も食べてみたい。

 

船木和喜選手から学んだこと

楽をしないで、泥臭く生きている人間は魅力的。