人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【田原直哉】36歳の体操元トップ選手、スキーで平昌五輪出場なるか

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今年3月、『フリースタイルスキー世界選手権』で、堀島行真選手(中京大)が大会史上初となるモーグル、デュアルモーグルの男子2冠に輝いた。

この試合はテレビ東京で生中継されていたので、久しぶりにモーグルの試合を見たのだけど、エアがかなり進化していて驚いた(自分の中では、長野五輪里谷多英さんの「大きなコザック」で止まっていたのだ!)。

足にスキー板がついているのに、空中であんなにクルクル回れるなんてもうわけがわからない。で、それを見ているときにふと思ったのである。「まるで白井健三選手がスキーをしているみたいだなぁ」と。

体操の元日本代表・田原直哉選手(ミルキーウェイ)が、スキーで来年の平昌五輪出場を目指している。種目は、空中での演技の美しさを競う「エアリアル」。さきほどのモーグルもそうだが、スキーのエアと体操は、回転力やひねりなど”必要とされる能力”が似通っているため、「この競技なら五輪に行けるかも」と転向を決意したそうだ。

1980年生まれの田原選手は、8歳で体操を始め、和歌山北高校日本体育大学に進学。大学3年時に、初めて日本代表に選ばれた。アテネ五輪出場が叶わなかったのは、団体金メダルメンバーの冨田洋之さん、鹿島丈博さん、水鳥寿思さんと同学年だった(=レベルの高い世代だった)こともあるのだろうか。

経営の世界では、競争相手が少ないところで勝負をする「ブルーオーシャン」という考え方がある。これをスポーツの世界で取り入れて成功しているのが、スキー女子ハーフパイプ小野塚彩那選手である。

元々はアルペンスキーをやっていて、大学時代にはインカレの大回転で優勝。また、滑りの美しさを競う『全日本スキー技術選手権』でも2位に入るなど、「スキーそのものがめちゃくちゃ上手い選手」だった。

しかし、これだけの実力を持ってしても世界に出るには至らず、そんなときにハーフパイプが五輪種目になったことで転向を決意。すでに下地ができていたため、それから3年弱でソチ五輪の銅メダリストになり、今年3月の世界選手権では金メダルを獲得。ついに世界チャンピオンの座に上り詰めた。

”スキーの花形”のアルペンに比べると、ハーフパイプはまだ始まったばかりで競技人口が少ないことと、本人が持っていた技術が素晴らしかったこと。この2つがうまく組み合わさって、成し遂げられた偉業である。ずっとアルペンの選手のままだったら、きっとこんな未来は訪れなかっただろう。

田原選手も、体操の個人総合でインカレ3位、全日本選手権6位になるなど、日本でもトップクラスの身体能力を持っていることは間違いない。叶わなかった五輪出場の夢を雪上に求めて、早11年。昨年のW杯では最終戦で7位に入るなど、今や日本エアリアル界のエースとなった。

現在は所属企業がなく、ギリギリまで生活費を切り詰めて、世界で戦っている状態だそうだ。取り巻く環境は厳しくても、これまで4度(アテネ・北京・バンクーバー・ソチ)跳ね返された五輪の壁に、5度目の正直を信じてチャレンジを続ける田原選手を、陰ながら応援したいと思う。どうかハッピーエンドでありますように。

 

田原直哉選手から学んだこと

何(の競技)をすれば世界のトップになれるかを考える。