人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【山本大貴】「高校通算本塁打」の最多記録保持者は、JRの駅員として奮闘中

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早実・清宮、高校通算100号!享栄戦で135メートル場外弾「絶対無理だと思っていた」(6/4 スポーツ報知より)

◆愛知県高野連招待試合 ▽第2試合 享栄5―1早実(4日・小牧)
 今秋ドラフト目玉の早実(東京)・清宮幸太郎内野手(3年)が、愛知県高野連招待試合の享栄戦に「3番・一塁」で出場し、高校通算100号を放った。
 5点を追う9回1死の第4打席。初球の直球を右中間席場外に運んだ。特大の推定135メートル弾に「完璧。打った瞬間、歓声がものすごく聞こえた」と笑みを浮かべた。3日の同招待の中京大中京戦で2本、桜丘戦で1本放ち、通算99発に。この日、第1試合・至学館戦では4打数無安打1四球。第2試合で左飛、右前安打、右翼線二塁打の後、最終打席で大台に到達した。
 100本の数字については「すごいこと、というか、あんまり実感がない。絶対無理だと思っていた。味方も享栄の選手も、おめでとうと言ってくれて。いつもの1本と違う」と口にした。史上最多とされるのは、神港学園山本大貴の107本。怪物は「打てるだけ、がんばります」と前を見据えた。

 
2004年にイチロー選手が、メジャーリーグの「シーズン最多安打記録」を84年ぶりに塗り替えた際、抜かれたジョージ・シスラーさんの娘さんが、「イチロー選手のおかげで、父の名が再び注目を浴びることができて嬉しい」とコメントしていた。

スポーツで記録が更新されるときは、”偉大な先人”にスポットライトが当たるもの。そして今、早稲田実業の清宮幸太郎選手がホームランを打つたびに、紙面に名前が載っているのが、元高校球児・山本大貴(ひろき)さんである。

山本さんは神港学園時代に、107本のアーチを放った。これは、現在の「高校通算本塁打」の最多記録となっている。歴代2位の清宮選手よりも名前が上にある人物は今、何をしているのか。先日、新聞記事になっていたので、簡単にまとめてみる。

■ 甲子園に出場できず、「自分が(プロで)通用するようなイメージが全然わかなかった」。
プロ志望届は出さずに、高校卒業後はJR西日本に入社。
■ 中2の時に父を亡くしていて、「母はずっと働きずくめでしたからね。卒業したら、できるだけ迷惑をかけたくないと思っていました」
■ 社会人野球での通算本塁打は「5、6本」にとどまり、昨年限りで現役を退いた。
■ 大谷(日本ハム)、藤浪(現阪神)と同学年。「凄いとは思うけど、(プロへの未練は)全然ないですね」
■ 現在は社業に専念。JR西条駅(広島)の駅員として奮闘中。
■ 清宮が本塁打を打つたびに、同僚から「お前、あと何本で抜かれるぞ」と言われている。
■ 昨年9月に結婚。2月には長男が生まれた。
■ 記録を超えられることは、もう覚悟している。「108本目はみんなが見られる甲子園で打ってもらいたい」


今年8月に開催される『ロンドン世界陸上』の男子マラソン日本代表・川内優輝選手(埼玉県庁)は、暑さに弱いと自覚していて、酷暑の中で行われることが確実な東京五輪は「目指さない」ことを公言している。ファンとしては残念に思ってしまうけど、オリンピックだけが人生ではない。競技との向き合い方は”人それぞれ”なのだ。

だから、高校時代に誰よりも多くホームランを打ったからといって、プロ野球選手にならない球児がいたっていい。傍から見ると、22歳での現役引退はちょっと早い気もするけど、自分の実力を客観的に見て、家庭の事情も踏まえて、納得して決めたことなら、それはそれで「一つの立派な選択」だと思う。

現在は社業に専念し、JR西条駅(広島)の駅員として奮闘中とのこと。みどりの窓口ではテキパキと発券業務に取り組み、改札口では車いすの乗客を率先してアテンドする。「気は優しくて力持ち」を地で行くような駅員さんに親切にされたら、誰だって嬉しくなる。

「清宮君には、超えてほしい。これから日本球界を背負っていくような選手になる。抜いてもらって、活躍してもらった方が、僕もうれしいです」。山本さんのこれからの人生に、どうか幸多からんことを!

 

山本大貴さんから学んだこと

誰もが最高峰の舞台を目指すわけじゃない。競技との向き合い方は人それぞれ。