人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【渡部暁斗、竹内智香】五輪前年に必要なのは「変わらない勇気」

f:id:skipp-beat:20170603173156j:plain

5月18日に、平昌五輪の有力選手たちが一堂に会した『SAJ SNOW AWARD 2017』が開催された。

全日本スキー連盟がそのシーズンに世界の舞台で活躍した選手を表彰するもので、今回が第一回目。受賞者の渡部暁斗選手(北野建設)と竹内智香選手(広島ガス)は、式の後に「来シーズンに向けての取り組み」を聞かれて、次のように答えたそうだ。

竹内「これからの9カ月、10カ月というのは、新しいことに取り組んだり何か開拓をするというよりは、今までトライしてきたものから1つ1つ選んでいく作業になると思っています」

渡部「たくさんのことに目移りしないように。新たなことにチャレンジしていくシーズンではないと思っています」


ノルディック複合スノーボード。それぞれ取り組んでいる競技は違うけど、ソチ五輪で銀メダルを獲得した両者が答えている内容はほぼ同じ。これはとても興味深い。二人が言いたかったこと、それはつまり、「新しいことにチャレンジするのには、ふさわしい時期とそうでない時期がある」ということだ。

トップアスリートは五輪にピークを合わせられるように、強化を”4年単位”で考えなければならない。所属先や練習環境を変えたり、新たなトレーニングメニューに取り組むのは、五輪前年までの3年間で済ませておかないといけないのだ。直前になって、「思い立ったが吉日」とばかりにいろんなことに手を出しても、技術を自分の中にしっかりと落とし込む前に、時間切れで本番を迎えることになる。

二人とは全然レベルが違うけど、自分は市民ランナーで、マラソンのレース前に普段はやらない「カーボローディング」に挑戦したことがある。「炭水化物をたくさん食べてエネルギーを蓄えましょう」ということで、直前にごはんやパスタを食べまくった結果、当日は体が重くて全然走れなかった(どうやら食べ過ぎた模様・・・)。さらにひどかったときは、台風でレースが中止になって、大量の炭水化物が腹の中に留まったままということもあった(ただ太っただけという悲劇・・・)。

カーボローディングが全く意味がないとは言わないけど、普段と違うことをするのはリスクがある。人それぞれ食べるのにもふさわしい量があるし、それは何度もレースを走る中で、自分で痛い目に遭って、悔しい思いをしながら学んでいくしかない。何事も積み重ねと経験が大事なのだ。

渡部選手はこれまでに3度、竹内選手は4度、オリンピックに出場している。世界の壁に跳ね返され、試行錯誤を繰り返す中で、「大事な試合の前は、それまでと変わったことをしてはいけない」という結論に辿り着いたのだろう。だから、ソチが終わってからの3年で、すでに様々なことにチャレンジして、自分に合うものを取捨選択してきた。”逆算思考”でそういうことができる選手だから、二人は今の地位にいる。

今年の『SAJ SNOW AWARD』はともに「優秀選手賞」だった。平昌五輪ではソチであと一歩届かなかった表彰台の頂点に立って、ぜひ来年は「最優秀選手賞」をとってほしい!

<参考>
五輪前年に調整法を変えない勇気。渡部暁斗、竹内智香が得た経験値。 - その他スポーツ - Number Web - ナンバー

渡部暁斗選手&竹内智香選手から学んだこと

新しいことにチャレンジするのには、ふさわしい時期とそうでない時期がある。