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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【大松尚逸、菊池彩花】日常生活もままならない、どん底からの復活!

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苦労人が決めた!ヤクルト大松サヨナラ弾 ロッテ自由契約から今季テスト入団(5/10 デイリースポーツより)

「ヤクルト3-2広島」(9日、神宮球場
 決着をつけたのは、苦労人の一振りだった。延長十二回、代打のヤクルト・大松尚逸内野手(34)が6番手・中田の4球目を強振。打球は右翼席に突き刺さった。3年ぶりの本塁打は、7年ぶり2本目のサヨナラ弾。大興奮に包まれた神宮のお立ち台で「感無量です!!」と叫んだ。
 恩返し弾だ。「スカッとした。チームに貢献したい、その一心でした」。昨季右アキレス腱を断裂。ロッテを自由契約となり、テストを受けてヤクルトに入団。プレーする機会を与えてくれた球団への思いは人一倍強い。
 勝利の女神も駆けつけていた。父・三郎さんと敦子夫人が今季初めてのスタンド観戦。支えてくれた夫人への、感謝の気持ちでもあった。劇的勝利に真中監督は「見事ですね」とニッコリ。“ヤクルトの大松”として新たな一歩を踏み出した。 


昨年、ロッテを自由契約になった大松尚逸選手が、試合を決めるサヨナラホームラン!かつて、野村克也さんが監督を務めていたときのヤクルトは「野村再生工場」と呼ばれていたが、「真中再生工場」と名前が変わった今も、移籍選手の活躍が続いている。

大松選手は、昨年5月の2軍戦で右アキレス腱(けん)を断裂。手術を受け、車いす生活を強いられた。しばらくは日常生活もままならず、長期にわたるリハビリに励んでいたが、オフに戦力外通告。「弱り目にたたり目」「泣きっ面に蜂」とは、まさにこのことだろう。

しかも、その時点ではまだ治る見込みはなかったそうで、普通なら引退を考えてもおかしくない状況なのに、「もう一度だけでも1軍の打席に立ちたい」とヤクルトの入団テストを受験。見事、現役続行を勝ち取った。

自分はヤクルトファンではないけれど、一度地獄を見て、そこから這い上がってきた選手は応援したくなるし、つば九郎と一緒にヒーローインタビュを受けて、「いつかこういう日が来ると信じてリハビリを続けてきました。はじめまして、大松尚逸です!」と声を震わせている姿を見ると、思わず目頭が熱くなってしまう。

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2015年、『世界距離別スピードスケート選手権』のチームパシュートで、高木菜那・美帆姉妹とともに金メダルを獲得した菊池彩花選手(富士急)。昨年8月に氷上練習で転倒した際、他の選手のブレードが右脚に刺さり、筋肉や腱など約20センチを切る大怪我を負った。

たまにフィギュアスケートでも、ブレードで手を切って流血している選手がいるけど、かなりスピードが出ている状態で刃が刺さったなんて、聞くだけで痛々しくてたまらない。本人いわく「ふくらはぎ付近がざっくり切れた」。1ヶ月間入院し、しばらくは松葉杖をつき、日常生活もままならない日々が続いたそうだ。

団体追い抜きのメンバー入りを争うライバルたちが次々とタイムを伸ばし、気分が落ち込みかけたこともあったが、「自分自身を見直す時間ができた。平昌五輪シーズンでなくて良かった」。前向きに捉えてリハビリに励み、今年2月にレース復帰。この5月からナショナルチームに合流した。

現役のプロ野球選手やスピードスケートの日本代表選手が、「日常生活もままならない状態」になるなんて、さぞかしストレスがたまっただろうと思う。実際に打席に立って三振をしたり、相手よりもタイムが遅かったのなら納得できる。でも、その舞台に上がることすらできないというのは、アスリートにとってどれほど辛くて、悔しくて、絶望的なことだったか。

地獄を見た二人は今、「打席に立てる喜び」や「レースで滑れる嬉しさ」を噛みしめているだろう。それは健康な身体で、試合に出るのが当たり前だったころには味わえなかった”尊い感情”だ。

今年のヤクルトは、日本ハムから戦力外になった鵜久森淳志選手が代打サヨナラ満塁本塁打を打つなど、”拾われた男”の活躍が続く。そして、スピードスケート女子の団体追い抜きは、平昌五輪の金メダル候補である。大怪我を糧に成長した「苦労人の逆襲」が楽しみだ。

 

大松尚逸選手&菊池彩花選手から学んだこと

五体満足で、戦いの舞台に立てる喜びを噛みしめる。