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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【高平慎士】北京五輪・陸上400mリレーの銅メダリストが現役引退へ

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<陸上>高平が引退 北京五輪リレーで銅(4/25 毎日新聞より)

 2008年北京五輪の陸上男子400メートルリレーで第3走者として銅メダルを獲得した高平慎士(32)=富士通=が24日、チームの公式ブログで、今夏限りでの現役引退を表明した。シーズン序盤に発表した理由について「残された時間を皆さんと楽しみ、1本でも多く楽しく走っている姿をお見せしたい」とコメントした。引退後、今年度中は会社に残るが、来年度以降は未定という。
 高平は北海道・旭川大高、順大の出身で、日本選手権の200メートルを5度制した。五輪は04年アテネから3大会連続出場。塚原直貴末続慎吾朝原宣治とともに獲得した北京五輪のメダルは陸上トラック種目で日本男子初の快挙だった。
 北京五輪の同リレーに関しては国際オリンピック委員会(IOC)が今年1月、優勝したジャマイカを第1走者のドーピング違反により失格にすると発表しており、処分が確定すれば日本は銀メダルに繰り上がる。 


今から14年前の2003年2月に、横浜アリーナで行われた『日中対抗室内横浜大会』を見に行ったことがある。よく俊足の選手のことを、「風のように速い」などと例えたりするけど、この日、まだ高校生ながら男子200mで優勝を飾った高平慎士選手(富士通)はまさに「疾風」のごとく、スタートからゴールまでを一瞬で駆け抜けていった。

室内競技場のトラックで、1周が200mだったから余計にそう感じたのかもしれない。サラサラヘアーをなびかせて走る姿がすごくカッコよくて、「こういう子が将来、オリンピックに行くのかもしれないな」と思った。このとき自分が抱いた予感は、翌年に現実になる(※20歳でアテネ五輪に出場)。

もうずいぶん前の話なのに、なぜ今でも覚えているかというと、自分の座席の前列に高平選手のお父さんが座っていたからだ。レース後、目の前では親子団欒の会話が繰り広げられていた。よく顔の大きさを「おにぎり」で例えたりするけど、間近で見た高平選手の顔は「おにぎり2個分」ぐらいしかなく(超小顔!)、おまけに足が長くてスタイルが抜群だった。

自分の持って生まれたバランスが絶対ありますから。それ崩しちゃダメですよ。だって、トラとかライオンとかはウエイトしないですから。人間は知恵があるから、いろんなことやっちゃうんですよ。本来のバランスを保ってないと、筋肉は大きくなるけど、それを支えてる関節とか腱とかって鍛えられないんで。だから壊れちゃうんですよ。だって重さに耐えられないから。大きくしたらそら膝にくるし、関節にもきますよ。当たり前のことなんです」(2016年3月15日・16日、『報道ステーション』のインタビューでイチロー選手が話していた言葉)


短距離のトップスプリンターは、「筋骨隆々のガッチリ体型」というイメージがあるのだけど、高平選手は180センチ・62キロ。高校生のころから現在まで、一貫して「スラッとした体型」で世界と戦ってきた。

昨年、40歳で9秒台を出したキム・コリンズ選手(セントクリストファー・ネイビス、今年8月の世界選手権で引退予定)も細身だったが、二人とも無理に筋肉をつけて体を大きくしなかったことで、選手生活を長く続けられたように思う。イチロー選手も言っているように、「自分が持って生まれたボディバランスを崩してはいけない」のだ。

この記事のタイトルに「北京五輪400mリレーの”銅”メダリスト」と書いたけど、これからメダルの色は”銀”に変わる可能性がある。いずれにしてもこの歴史的な快挙がなければ、リオ五輪の4継銀メダルはなかっただろう。北京では第3走者を務めて、アンカーの朝原宣治さんにバトンを渡したが、次世代へバトンを繋ぐ役目も十分に果たしてくれた、男子短距離界の功労者。長い間、本当にお疲れ様でした!

 

高平慎士選手から学んだこと

持って生まれたボディバランスを大切にする。