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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【西山麗】臓器移植を経験した、金メダリストのソフトボーラー

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3月5日(日)にテレビ東京で放送された、『ザ・ドキュメンタリー 私にしか伝えられない ~女子ソフトボール 西山麗~』。良質なノンフィクションで、とても感銘を受けた。一人でも多くの人に彼女のことを知ってもらいたいので、内容をまとめてみる。

今から9年前の夏、北京五輪で金メダルを獲得した女子ソフトボール。不動のショートとして、日本を世界一に導いた西山麗選手(日立)だったが、その栄光の陰では壮絶な人生を歩んでいた・・・。

5歳のときに、心臓に重い障害(=大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症)があることがわかり、医者から激しい運動を禁じられた。外で遊んだり、身体を動かすことが大好きな活発な子供で、他の人と同じことをやりたいのに我慢しなければならず、もどかしい日々を送っていたそうだ。

自分の体と相談しながら、小学校6年生までバスケットボールをやっていたが、より運動量が増える中学校では続けることが厳しくなった。そこで、攻守交代がある(=途中で休みがとれる)ソフトボールに転向。この決断が、のちの金メダリストを生むのだから人生はわからない。

中学2年生のときに、交通事故で亡くなった同じ歳のアメリカ人の女の子から心臓弁を提供され、一度目の移植手術。そして昨年、その心臓弁が寿命を迎えて、二度目の移植手術を受けた。11時間にも及ぶ大手術は無事に成功。その後、自分の体を冷静に判断し、ソフトボールを続けるべきか否か、悩んだ末に現役続行を決めた。その理由とはー。

「手術を2回して、言ったら2回死んでるじゃないですけど、そういう人ができない経験をしているので。(感謝に対する)想いは自分にしか伝えられないし。みんなが毎日しんどいとか、うまくいかなくて苦しい、もう嫌だなって思うことは、本当に苦しくて辛いことじゃないんだよって。生きているだけでありがたいし、幸せなことで、なおかつ生きていく中で、自分がやりたいことを元気な体でできるんだから、それはどんどん挑戦していくべきだし、諦めちゃいけない」。


言葉というのは、「何を言うか」よりも「誰が言うか」によって影響力が全然違ってくる。五体満足で、毎日当たり前のように生きてきた人ではなく、生きることが「当たり前ではなかった」西山選手が発するからこそ、一言一言に重みがあるし、私たちの心に残るメッセージになるのだ。

色んな事情がありながらもできるんだよっていうのは、自分にしかできないので。それはもう中学2年生の時くらいから思っていたんですよね。でも未知の世界ですよ、自分でも。たぶんいないんですよ、世界中探してもきっと。絶対自分にしか出来ないし、自分じゃないとダメなんですよ。それはあんまりプレッシャーとかには感じないんですよ。やりがいですかね」


東野圭吾さんの小説『使命と魂のリミット』の中に、「人間は生まれながらにして使命を持っている」という一文があった。この体でも一流選手になれることを証明したい-。同じ病と戦う人の星になりたいー。病気を抱えた子供たちに希望を与えたい―。

「臓器移植を行った、日本で唯一の金メダリスト」が生まれ持った”使命”を、2017年も元気にグラウンドでプレーする姿で全うしてほしい。これから西山選手の露出が増えるという意味でも、ソフトボール東京五輪の追加種目に選ばれて本当に良かったと思う。

 

西山麗選手から学んだこと

生きているだけでありがたい。しんどいことや苦しいこと=生きている証!