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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【竹澤健介】学生長距離界の元スーパーエース、30歳で現役引退

陸上

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竹澤健介選手引退に関するお知らせ(1/16 住友電工 プレスリリースより)

当社陸上競技部に所属しております竹澤健介選手は、本人の申し出により、このたび現役を引退することとなりましたのでお知らせします。これまで、温かいご声援、ご支援をいただき、誠にありがとうございました。

竹澤健介コメント>
今シーズン限りで現役を引退いたします。
近年は結果を残す事が出来ませんでしたが、皆様からの温かい声援によりここまで競技を続けることができました。誠にありがとうございました。
今後も、住友電工陸上競技部への変わらぬご声援、どうぞよろしくお願いいたします。


早大4年時に、男子長距離の現役大学生として44年ぶりの五輪出場を果たした竹澤健介選手(住友重工)が、今シーズン限りでの現役引退を表明した。個人的に大好きなランナーだったので、本当に残念でならない。

惜別の思いで、2月14日発売の『月刊陸上競技』に載っていた特別インタビュー、「学生長距離界の元スーパーエースが現役生活にピリオド  波乱の競技人生を振り返る」を3回通しで熟読してみた。現在30歳。まだまだ走れる年齢なのに、引退を決めた理由とはー。

早大在学中に、5千&1万メートルで学生記録を更新し、箱根駅伝では3年連続区間賞を獲得。そんな輝かしい戦績とは裏腹に、故障と向き合い続けた競技人生だった。「大学時代の後半から、(脚の)痛みがなかった時期はほとんどありません」

北京五輪出場を決めた日本選手権の前や、最後の箱根駅伝(3区で区間新)の前も、質の高いトレーニングは全くできなかったが、「走力がそこそこあったので、走れてしまった」

実際は満身創痍なのに、レースに出れば高水準の走りを見せつける。周囲の期待もあって、目の前のレースに合わせてつい無理をしてしまい、身体を一から作り直すことができなかった。「才能がない」のは苦しいことだけど、世の中には「才能がある」がゆえに苦しむ人もいるのだ。

どの種目をやるにしろ、土台はしっかり作った方が良いです。そこは時間をかけてゆっくりやるべきだと思います。スピードを出すことも大事ですけど、土台あってのスピードです。地力をしっかり伸ばしていくことが大切で、決して表面だけではダメだと思います。(「月刊陸上競技」2017年3月号、竹澤健介インタビューより)


ロンドン五輪の1万メートルで銀メダル、リオ五輪のマラソンで銅メダルを獲得しているゲーレン・ラップ選手(アメリカ)。2007年の大阪陸上世界選手権の1万メートルでは、ラップ選手が11位、竹澤選手が12位だった。

当時はあまり差がなかった同級生の二人だが、その後の競技生活で明暗が分かれてしまう。「彼が世界で活躍している姿を見ると、やっぱりやり方なんだなと思います。彼は故障をほとんどしていないですし、土台をしっかり作った上で強化を行なったから、あれだけ高いところにたどり着いたんだと思います」。

イタリアの「ピサの斜塔」が傾いてしまったのは、海沿いで地盤が弱かったのと、「基礎工事が不十分だったため」だと聞く。スポーツでも建築でも、土台作りや基礎工事を怠ると、やがて大きな負のフィードバックとなって返ってくる。逆に、これらをしっかりやっておけば、最初は時間がかかっても後から順調にいくということだ。

竹澤選手は、将来的には「指導者になりたい」という夢を持っているとのこと。「僕自身が『もう少しうまくやりたかった』という部分も指導に活かしたい。そして、竹澤健介よりもいい選手を育てたいです」。きっと、教え子のことを長いスパンで考えて、土台作りに重きを置いた練習メニューを組むだろう。ラップ選手のような「骨太のランナー」を育ててほしい!

 

竹澤健介選手から学んだこと

土台が固まっていない状態で上に積み上げても、いつか必ず崩れるもの。