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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【福良淳一】”怒ッカン”は期待の裏返し!

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福良・オリックスは鬼キャンプ! 昼食抜きでミスしたプレー反復(2/12 デイリースポーツより)

 福良オリックスの鬼キャンプがさらにすごみを増した。午前中に行われた試合を想定したゲーム打撃。バントやヒットエンドランを失敗した小田、武田、宗の3人はバットを手にそのまま室内練習場へ走る。そこから昼食抜きでミスしたプレーを繰り返した。
 時間にして3時間以上。打撃マシンを相手に宗と小田はバントを、武田は右打ちをひたすら続けた。福良監督は「コーチから『できないヤツ』は外すと言ってきた。そういうことができないとダメな選手たち。練習しかないでしょう」と当然といった表情で話した。武田は「一発で決められなければ練習しかありません」と疲れ切った表情で話した。
 スキのない野球を目指してキャンプイン。連日、ゲーム打撃は行われているが、試合のプレッシャーを与えるためにも事前に罰を伝えた中で行った。
 12日には紅白戦を控える。指揮官は「そこでできなかったら…。その先は言いません」と笑い飛ばした。選手たちは2軍落ちの危機感の中、戦い続ける。


このニュースを見て、真っ先に目が行くのは「昼食抜き」という部分だろう。アスリートは体が資本。それなのに栄養補給をさせないなんて。ネット上にも、「非合理的」「旧態依然」「前近代的」「時代錯誤」など、辛辣な四字熟語が溢れている。

でもこういうときは、状況を俯瞰して見る(記事の前後の文脈をきちんと読む)ことが大事。よくアンパンマン「お腹がすいて力が出ない~」と言っているけど、昼食を抜いたらどういう状態になるかは、福良監督も当然理解していたはず。なのになぜこんなことをしたのか。それを考えないといけないと思う。

事の顛末は、①実戦形式の練習 ⇒ できなかったら罰があることは先に伝えてあった、②3選手はバントやヒットエンドランを失敗、③いずれもパワーよりも小技を売りにするタイプ、④これができないと話にならない、⑤ミスしたプレーを昼食抜きで練習した、ということだ。

もしこれが高校野球なら、「パワハラ」などと言われて問題になっていたかもしれないけど、相手は”野球が本業”のプロ野球選手。全体の流れとしては、そんなに理不尽なことをしているようには思えない。

ミスをした3人の今シーズンの年俸は、宗佑磨選手(20歳)が600万円、武田健吾選手(22歳)が700万円、小田裕也選手(27歳)が1500万円。親会社のオリックスの正社員でも、同年代でこれだけ稼いでいる人はいないだろう。若くして大金を手にした彼らだが、監督が求めるプレーができなければ、この日の昼食が食べられなかっただけでなく、来年、野球で食べていけなくなる可能性だってあるのだ。

プロ野球界の大先輩、”ノムさん”こと野村克也さんの教育方針は、「三流は無視、二流は褒めて育て、一流は非難して育てる」だそうだ。どんな世界でも、見込みがない人間は怒られないもの。福良監督が厳しく接するのは「期待の裏返し」。痛めつけようと思ってやっているわけじゃない。

昨シーズンのオリックスは、1軍・2軍ともに最下位に沈んだ。オフには昨季の盗塁王糸井嘉男選手が阪神に移籍した上に、目立った補強もなし。つまり、現有戦力を底上げして頑張るしかないのだ。

福良監督は「週刊ベースボール」の記事では、”糸井選手の穴を埋める存在”として、「3年目の小田、5年目の武田ら」と、昼食抜きにした3選手のうち、2人の名前を挙げていた。人から叱ってもらうことや、言葉をかけてもらえることが、どれだけ有り難いことか。期待されていることを意気に感じて、ぜひプレーで応えられるように頑張ってほしい!

 

福良淳一監督から学んだこと

叱られるうちが華。見込みがない人間は怒られることもない。