人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【小崎まり】41歳のママさんランナーが走り続ける理由

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41歳小崎、妻として母として、高熱が出てもマラソンを続ける理由とは(2/8 スポーツニッポンより)

 結婚、出産を経て現在も育児の真っただ中。長男は来春、ランドセルを背負う歳となる。05、07年の世界選手権女子マラソンに2大会連続で出場した小崎まり(41=ノーリツ)は母となり、わが子にありったけの愛を注ぐ今もなお、あくまで現役にこだわり、国内外の一流選手が集まるマラソン大会で走り続けることをやめようとしない。
 先月1月29日に行われた大阪国際女子マラソン。昨年4月のパリマラソンで6位入賞(タイムは40歳の日本女子最高記録となる2時間32分46秒)を果たしたこともあり、一般ではなく招待選手として出場することが決まった。しかし、レース4日前に右ふくらはぎの故障が判明。その上、「体がだるいな」と感じて熱を測ると体温計に39・9度と表示された。
 その時点で欠場を選択する道もあった。だが、それは小崎の哲学には反していた。レース前日の早朝練習後、「なんとかなるのかならないのかは分からないが、レースをスライドさせる気にはならない」とスタートラインに立つことを約束。1年前に左足首捻挫でこのレースに出場することができなかった悔しさもあった。ここで簡単に2年連続の欠場を選択すれば、現役を続けている意味がなくなってしまう。物心がつき始めた長男の顔も脳裏にちらついた。「決めたレースを走らないのは、本当の競技者ではない」。胸を張って言い切ったが、その声はがらがらだった。
 そして迎えたレース当日。小崎はスタートから先頭集団に必死に食らいつき、その姿は全国ネットのテレビ中継にも流れた。ペースメーカーが急にタイムを上げた10キロ付近からずるずると後退したが「ゴールすることが目標」とレース前に言った通り、大きなブレーキをすることなく最後まで走り切った。優勝した重友がゴールテープを切ってから11分後。2時間35分21秒の21位で終えた42・195キロの旅だった。
 小崎は言う。「自分がこの歳まで競技を続けていることでマラソンという競技を深くしたい。競技を続けているからこそ、後輩の選手にも伝えられることがある。過去の話ではなく、今の話を言える人生の方が私は楽しい」。自宅のキッチンに立つことをやめないのはもちろん子供のためでもあるが、自らをパートナーに選んでくれた夫に対する小崎なりのメッセージでもあるのだろう。「私は走ることだけで生きているわけではない。それは家庭に入った女性がキャリアを我慢することと一緒。お母さんとして家族に対してできることをやるのは当たり前。その中でどれだけのことができるか、どうやって対応するのかだと思う」。
 妻となって10年。母となって6年。旧姓のままレースに出場する日々は続く。


久しぶりにすごくいい記事を読んだ。今年1月の『大阪国際女子マラソン』を、2時間35分21秒で完走した小崎まり選手(ノーリツ)。直前に39℃の高熱が出た上に、ふくらはぎの故障があってのこのタイムは本当に素晴らしい!(というか、化け物としか思えない・・・)

昨年12月の『福岡国際マラソン』に怪我を押して強行出場した川内優輝選手(埼玉県庁)は、「一度招待を引き受けた以上は、たとえどんな調子でも全力を尽くすのが招待選手の責任」と言っていた。そして小崎選手は、「決めたレースを走らないのは、本当の競技者ではない」。一見、不器用にも思えるこの”頑固な生き様”に、ファンはたまらなく心を惹かれるのである。

小崎選手は現在41歳。6歳の息子さんを持つママさんランナーである。結婚や出産を機に引退する選手も多い中、彼女はずっと第一線で走り続けてきた。その理由は、「競技を続けているからこそ、後輩の選手にも伝えられることがある。過去の話ではなく、今の話を言える人生の方が私は楽しい」。

自分は、この「過去の話ではなく、今の話を言える人生の方が私は楽しい」というところがすごくいいなぁと思ったのだ。林修先生風に言うと、「今でしょ!」。スラムダンク桜木花道風に言うと、「オヤジの栄光時代はいつだよ・・・全日本の時か?オレは・・・オレは今なんだよ!」ということになるだろうか。

誰でも、過去があって今がある。だから、過去は過去でもちろん大切なものだけど、個人的には、「今」や「未来」の話をする人の方が好きだ。30~40代の人に「昔はどうだった」とか「あの頃はよかった」などと言われると、「それで、今はどうなんだよ」と思わず突っ込みたくなってしまう。

小崎選手はこれまでに3度、世界陸上に出場している。最高位は14位。メダルこそないものの、「すごい選手だった」と言えるだけの実績は残していると思う。それなのに、「過去よりも今の話をしたい」というこの姿勢。もう「素晴らしい」以外の言葉が出てこない。

人に何かを伝えるときに、口先だけ偉そうな人と、自らの行動で示す人。どちらが説得力があるかは言うまでもないことだ。これからも、市民ランナーではなく”競技者”として走り続けてほしい。若い選手にとっては、「存在そのものがレジェンド」だと思う。


小崎まり選手から学んだこと

過去ではなく、今の話をしよう!