人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【國母和宏】成田空港に「腰パン」スタイルで現れた真意とは?

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2017年1月26日発売の『Sports Graphic Number 920号』に、國母和宏選手のインタビューが載っていた。スノーボードの世界では”カズ”と呼ばれ、絶大なカリスマ性を誇る彼は、「拍子抜けするほど、礼儀正しかった」らしい。ライターの方がこのような感想を抱いたのは、「あのとき」の光景が未だに目に焼き付いているからだろう。

今から7年前、2010年バンクーバー五輪に向けて出発する際、公式スーツを着崩した「腰パン」スタイルで登場し、大バッシングを浴びた。その後の記者会見での「ちっうるせーな。反省してま〜す」という発言も、火に油を注ぐ結果に・・・。

昨年末、”おでんツンツン男”の「反省してまーす!」という動画を見たとき、とっさに國母選手のことを思い出してしまったぐらい、それはそれは印象に残るものだった。

今でも、腰でパンツを履いて、シャツを外に出し、ネクタイは緩めるという”独特の着こなし”が、オリンピックに臨む日本代表選手にふさわしいとは到底思えないのだけど、個人的に一つだけ反省することがある。それは、「どうしてまた、あんな格好をして成田空港に現れたのだろう?」という視点。國母選手の”価値観”や”考え方”に思いを巡らせることを、自分は一切していなかった。

上記のNumberの記事によると、スノーボードの世界では、もともと大きめのズボンを腰ではくファッションがカッコいいとされていて、「葬式に行くときに葬式の恰好をするように、スノーボードの大会に行くからスノーボードに行くための恰好をしていただけ」

彼としては”当たり前”のことをしていただけで、悪気があったわけではなかった。問題は、そういうスノーボードのカルチャーが、まだ世間には浸透していなかったということだ。

当時、服装の乱れを批判されたことに対しては、「なんでだよ」ではなく「だろうな」と思っていたそうだ。「えーって思うほどバカじゃない。学校でも制服を着崩していたら注意されるじゃないですか。ただ、日本代表じゃなくて、俺はプロスノーボーダー國母和宏として行ってたから。そこを変える気はなかった」

どう言われるかは分かっていたけど、あえてそれをやった。プライオリティの頂点にあるのは、いつだってスノーボーダーとしての”カッコ良さ”。つまり、彼の腰パンは「確信犯」だったのである!

Mr.Childrenの『掌』の中に、「ひとつにならなくていいよ 認め合えばそれでいいよ」という歌詞がある。日本人の一般的な正装感覚とはかけ離れた服装だとしても、それがスノーボードの文化なのだと「認める」こと。個人的に共感はできなくても、ああいう場で好ましいことだとは思えなくても、そういうものなんだと「認める」こと。

世の中には色々な価値観や考え方がある。良い悪い、正しい正しくないはともかくとして、まずは「認める」ことが大事。あれから7年経って、ようやく自分なりに「國母騒動」を咀嚼できた気がした。


國母和宏選手から学んだこと

自分と違う価値観や考え方を、「認める」ことが大事。