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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【田村和希、照井明人】実態に見合ったルール変更を!

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7区で青学大ブレーキ 田村が脱水症状? 箱根駅伝(1/3 日刊スポーツ)

<第93回箱根駅伝>◇3日◇復路◇箱根-東京(5区間109・6キロ)
 3連覇を狙う青学大にまさかの異変が起きた。復路の準エース区間の7区(小田原~平塚=21・3キロ)で、田村和希(3年=西京)が突然の体調不良に見舞われた。
 快調にトップを走っていた田村が、16キロすぎから急にベースダウン。苦悶の表情を浮かべ、足取りはフラフラ。そこからの1キロのペースは3分25秒前後まで落ちた。気温も上昇し、脱水症状の陥ったかのような状況。後方から一気に差を詰める早大。2年前から監督車から下りて給水することはできないため、原晋監督は心配そうに「がんばれ、がんばれ!」と呼びかけるしかなかった。
 田村は泣きそうな表情ながらも、必死に歯を食いしばり、8区の下田裕太(3年=加藤学園)へトップを守ってタスキをつないだ。我慢に我慢の1時間5分40秒だった。追走する早大と6区までに2分8秒あった差は、1分21秒まで縮まった。


青山学院大学の”3連覇”で幕を閉じた、今年の箱根駅伝。出雲、全日本と合わせた大学駅伝3冠(史上4校目)を達成し、原監督が命名した「サンキュー大作戦」は大成功に終わったが、唯一、ヒヤッとした場面が、7区・田村和希選手(3年)のラスト数キロだ。

前半は快調なペースで飛ばし、毎年7区の途中に出現することで有名な「フリーザ様御一行」(=ドラゴンボールフリーザのコスプレ集団)をチラ見するほど余裕があったのに、15キロ過ぎに突然ペースダウン。フラフラと蛇行し、明らかな脱水症状が見られたが、監督が車から降りて選手に給水する行為が「道路交通法違反」になると警察から禁止されていたため、最後まで水を飲むことができなかった。

個人のレースと違って、みんなで襷をつなぐ駅伝は、「自分のところで途切れさせるわけにはいかない」と、命の危険を顧みずに走ってしまうのが”ランナーの性”である。今回は大事には至らなかったものの、何かあってからでは遅い。長距離を走るときの給水は、「こまめ、少なめ、早め」が鉄則。「選手が立ち止まるまで給水できない」という現行ルールは、早急に見直した方がいいと思う。

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【復路 第93回箱根駅伝】関東学生連合・照井明人が10区で“幻の区間賞”(1/3 日刊スポーツより)

<第93回箱根駅伝>◇3日◇復路◇箱根-東京(5区間109・6キロ)
 オープン参加の関東学生連合の10区照井明人(東京国際大4年)が1時間10分58秒で“幻”の区間賞となった。【写真】青学大、圧勝で3連覇/箱根駅伝復路詳細 順大の作田(4年)が1時間11分で区間賞を獲得。照井のタイムは参考のため記録には残らない。照井は「区間賞を出す自信はありましたけど、まさか本当にそんなタイムを出せるとは」と、驚きを隠せなかった。
 びっくりしたような、うれしそうな顔はすぐに真顔に戻り「後輩たちには予選会を突破して、箱根駅伝を走ってもらいたいです」と、エールを送った。前回大会では、東京国際大は予選を突破して箱根駅伝に出場しており、照井は3区を走り区間13位だった。 


そしてもう一つ、今年の箱根駅伝で違和感を覚えたルールがあった。10区で関東学連選抜の照井明人選手(東京国際大4年)がタイム的には一番速かったのに、”オープン参加扱い”のため、区間賞が認められなかったのだ。

現行ルールでは、「学連選抜の選手のタイムは公式記録にならない」らしい。チームとしての順位がつかないのは仕方がないけど、同じ日に、同じ条件で、同じ距離を走っているのだから、個人記録は認めてもいいと思う。”実質2位”の記録で区間賞となった順大の作田直也選手(4年)も素直に喜べなくて、「(区間賞の)トロフィー、もらっても微妙ですね」と口にしていたそうだ。

今回は”参考記録”となってしまったが、毎年10人がもらえる普通の区間賞よりも、「幻の区間賞」の方がインパクトがあるし、きっと後世にも語り継がれるはず。「記録より記憶に残る」とは、まさにこういうことを言うのだろう。

普段、会社で働いていると、現場のことなんて何も分かっていない上司が、”独りよがり”の価値観を押し付けてきて、うんざりすることがある。今回の給水の件も、もしかしたらルールを作った人はろくに走ったことがなくて、脱水症状でフラフラになるのがどれだけ危険なことか、肌感覚で理解することができないのかもしれない。

「実態に見合わないルール」で苦しむのは、いつだって選手なのだ。原理・原則にこだわるあまり、柔軟に対応できなくなってしまっては意味がない。ランナーが安全に走れる環境整備、頑張りが報われる表彰制度・・・etc、今年の箱根駅伝は、良い問題提起になったと思う。

 

田村和希選手&照井明人選手から学んだこと

実態に見合わないルールは変更すべき!