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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【川内優輝】見る者の心を揺さぶる魂の激走!

陸上

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川内、満身創痍の戦い終えて涙 「うれしくって涙が出てしまいました」(12/4 デイリースポーツより)

◇「福岡国際マラソン」(4日、平和台陸上競技場発着)
 17年ロンドン世界選手権の代表選考会を兼ねて行われ、同世界選手権を日本代表入りを狙う最後の舞台と位置づけている川内優輝(29)=埼玉県庁=は、2時間9分11秒(速報値)で日本人トップの3位に入り、代表入りへ大きく前進した。
 魂の走りだった。11月に右足ふくらはぎを痛め、直前の2日には練習中に左足首をねんざ。万全ではない状況の中での強行出場だった。家族からは欠場を勧められたが「もしここで欠場してしまったら今後も自分はガラガラと崩れて安易な方向に行ってしまう。招待選手を受けた以上は義務としてしっかり走るのが川内という選手」と信念を貫き、スタートラインに立った。日本のマラソンの低迷が続く中、見る者の心を揺さぶる激走となった。
 レース後は涙が止まらなかった。「本当にもう今回は最悪の状況だったので…。ベストを尽くせてホッとした。とにかくよかった。うれしくって、涙が出てしまいました」と、充実感を漂わせた。


満身創痍の中、気持ちで走った42.195キロ。「川内優輝」という男の生き様が伝わってくる”魂の激走”だった。夜のスポーツニュースで、ピースの又吉直樹さん「苦しい状況で、歯を食いしばって、人間の一番カッコいい顔ですよね」と言っていたけど、本当にそのとおり。ただただ、称賛の言葉しか出てこない。

福岡国際は欠場して、来年の東京かびわ湖にスライドしてもよかったのに、「一度招待を引き受けた以上は、たとえどんな調子でも全力を尽くすのが招待選手の責任」。この不器用さ、生真面目さがなんとも川内選手らしいなぁと思う。レース後に見せた涙は、フルマラソン64度目で初めての嬉し泣きだったそうだ。

右足ふくらはぎと左足首を痛めながら、2時間9分11秒で日本人トップの3位。これぞまさに「怪我の功名」というような結果となったが、”市民ランナーの端くれ”である自分も(レベルは全然違うけど)似たような経験をしたことがある。

これまでにフルマラソンを15回完走しているのだけど、レースの2週間前に膝を痛めてまともに走れなくなり、本番までひたすら休足を強いられたことがあった。こんな状態ではタイムなんてとても狙えないし、「もうとりあえず完走できればいいや」と半分ヤケになって(開き直って)スタートラインに立ったところ、なんと自己ベストが出たのだ!

2週間まったく走らなかったので疲労が抜けたのか、体が軽快に動いて、最後までペースが落ちなかった。今でもあれは何だったんだろうと思うけど、マラソンはこういうことがあるからわからない。(逆に、調子がすごく良かったのに撃沈ということも多々あり・・・)

今大会で優勝したツェガエ選手(エチオピア)は去年の世界陸上の銀メダリストで、2位のマカウ選手(ケニア)は元世界記録保持者である。そんな実力者の2人に真っ向勝負を挑んで、僅差の3位。最後の最後まで、3人が1つのテレビ画面に写っていた。タイム以上に内容が素晴らしく、さすがの陸連もこれで代表を外すようなことはしないだろう。

「神様は確かに存在する。そして神様は奇跡を起こしてくれる。しかし神様は、死ぬほど努力をした者にしか力を貸してくれない」(男子マラソン元日本記録保持者・藤田敦史さんの名言)


現地で観戦していた母親の美加さんは、「奇跡が起きた」と語っていたそうだが、ずっと「マラソンファースト」(小池百合子風)で死ぬほど努力をしてきた姿を、神様はちゃんと見ていたのだ。

こんなにも真っ直ぐで、人の心を惹きつけるような走りをする選手は、少なくとも今の男子では他には見当たらない。この日もレースの後半は雨が降っていたのに、沿道には人垣ができていた。来年の夏、「ロンドンで走る姿を見たい」と思っている人はたくさんいるはず。本当に涙なしには見られない、感動的なレースだった。

 

川内優輝選手から学んだこと

レースの結果は努力の見返り。その時々のベストを尽くせ。