人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【渡利璃穏】神様、お願いだからこれ以上試練を与えないで

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リオ代表の渡利璃穏がん闘病 吉田「東京へ一緒に」(11/25 日刊スポーツより)

 リオデジャネイロ五輪レスリング女子75キロ級に出場した渡利璃穏(25=アイシンAW)が悪性リンパ腫(血液のがん)の一種「ホジキンリンパ腫」で闘病中であることが24日、分かった。都内で全日本チームの合宿初日が公開され、日本レスリング協会栄和人強化本部長が明らかにした。
 説明によると、五輪前の7月の検査で異常が見つかり、五輪後の9月に病名が判明。栄本部長は「胸に腫瘍が見つかり、五輪後に病名が分かった。今は抗がん剤治療で、1週間入院して退院する、そういう状況です」と言った。栄本部長が渡利の承諾を得て公表に至った。レスリング協会関係者は「明らかになることで、刺激にしたいという気持ちのようです」と、渡利の気持ちを代弁した。同本部長は「体重を変えてまで五輪に挑んだ根性のある選手だ」と病気克服へ強い期待を示した。
 渡利は本来63キロ級だったが、1日5食で12キロ増量。75キロ級で五輪初出場も、初戦の2回戦でブラジルのダシルバフェレイラに3-4で敗れ、敗者復活戦も回れず「みんながメダルを取っているのに私だけ逃した」と、自分を責めた。
 後輩の大病に吉田は「彼女も闘っていると思う。なってしまったことはしょうがない。学校にもちょこちょこ顔を出していて元気そうにしている。しっかり治して、東京五輪へ一緒に頑張っていきたい」と、激励の言葉に心を込めた。


リオ五輪女子レスリング75キロ級代表、渡利璃穏選手(アイシンAW)。ご両親が「心の穏やかな子に育ちますように」と願ってつけた名前が2016年のオリンピック開催地となり、数年前から周囲に「璃穏がリオへ」と言われていたそうだ。

本来は63キロ級なのだが、すでに川井梨紗子選手が代表に決まっていたため、2階級上の75キロ級に転向。1日5食(朝・昼・夕+間食2回)、約7000キロカロリーという”並大抵ではない量”を食べ続け、わずかな期間で体重を12キロも増量して夢を掴んだ。

そして迎えたリオ五輪、渡利選手は女子レスリングでただ一人、メダルを獲ることができなかった。スポーツの世界は「勝てば官軍」で、敗者には残酷な仕打ちが待っている。メダリスト達がメディアに引っ張りだこになっているのを見るたびに、「渡利さんは今、どんな気持ちでいるんだろう」とずっと気になっていた。

五輪後に行われた女子レスリングの報告会で、「私は負けてしまい、メダルを持って帰ることができませんでしたが、ここにいるメンバーと一緒にオリンピックの舞台に立てて、本当に幸せでした」と健気に語っていたと聞き、「東京五輪に向けてまた頑張ってほしい」と思っていたのに、まさかガンに侵されているなんて・・・。

今年7月の時点で、すでに体の異変を感じていたとのこと。リオ五輪に専念するために検査を先送りにしたそうだが、オリンピック期間中も不安で仕方がなかったと思う。ドーピング検査があるから薬も飲めない。そんな状況で、日本中の期待を背負って戦っていたのだ。

先月の大相撲九州場所では、新入幕として49年ぶりとなる10連勝を記録した、石浦関の活躍が話題となった。173センチ・114キロで「関取最軽量」の新鋭は、小さいころから少食で、大学3年のときにようやく体重が100キロを超えたのだが、食べ過ぎが原因で腸の病気を患ったそうだ。

人にはそれぞれ、「適正体重」がある。渡利選手は増量中、毎日のように吐いていて、苦しくて夜眠れないこともあったらしい。ガンとの因果関係はわからないけど、石浦関の学生時代といい、無理に体重を増やすと体に負担がかかるのだろう。

今は運が悪いと思えることも、長い目で見ればきっといいことに繋がっている。いや、そうなってくれないと困る。この写真を見ても分かるように、渡利選手は本当に歯並びがキレイで、歯医者に置いてある模型みたいなのだ。2020年東京で、白い歯を見せて笑っている姿が見たい。今はただただ、治療がうまくいくことを願うのみ。至学館大学がある愛知県の方角に向かって、ひたすら元気玉を送りたいと思う。

 

渡利璃穏選手から学んだこと

人には”適正体重”がある。無理な増量は、体に負担がかかるので危険。