人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【渋井陽子】不屈の37歳が「クイーンズ駅伝」に20年連続出場!

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渋井陽子20年連続出場も好走飾れず涙「全然駄目」(11/28 日刊スポーツより)

全日本実業団女子駅伝クイーンズ駅伝)>◇27日◇宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場(6区間42・195キロ)
 過去7度優勝の三井住友海上のアンカー、37歳の渋井陽子区間、総合とも19位でゴールした。ヘッドコーチ兼任のベテランは大会前に風邪をひいて満足に練習できず、20年連続出場の偉業を好走で飾ることはできなかった。「全然駄目。調整が間に合わなかった」と涙を流した。
 前日の開会式の選手紹介では「最後の駅伝」とアナウンスされたが「自分では言っていないので、何とも言えない。年明けにマラソンをやる」と意欲的だった。


渋井陽子選手といえば、個人的に一つ嬉しい思い出がある。今年の7月に『ゴールドコーストマラソン』を走ってきたのだけど、この大会に渋井選手も出場していて、途中ですれ違ったときに、「渋井さーん、頑張ってくださーい!」と声を掛けたら、右手を上げて応えてくれたのだ!

海外だったからかもしれないけど、エリートランナーにこのような対応をされたのは初めて。明らかに自分に向けて手を振ってくれたことが嬉しくて、レース中にかなりテンションが上がったことを覚えている。

そんな渋井選手がこのたび、『クイーンズ駅伝』に20年連続出場(=歴代最多出場記録)という大偉業を成し遂げた。今回、三井住友海上で2区を走った岡本春美選手は18歳だから、チームメイトが生まれる前からすでにクイーンズデビューを果たしていたことになる。しかも、20回中15回はエース区間の3区を走り、7度の優勝に貢献。まさに「生きるレジェンド」と言っていいだろう。

最近は、「駅伝がマラソンをダメにした」と言われているが、渋井選手の原点はあくまでも駅伝。よりスピードが要求される駅伝に出続けたことが、マラソンの好成績につながったと考えているそうだ。「駅伝に強くさせてもらったって言ってもおかしくないくらい。マラソンを外しても駅伝だけは外さないっていう思いだった。駅伝はそのぐらいの気持ちでやっていた」。

しかし、30歳をすぎたころから走りに陰りが見え始め、チームの勝利に貢献する走りができなくなった。「引退は考えてますよ。30歳ぐらいから。チームに貢献できなくなったら終わりですよね、選手として。自分の許せるレベルにいるかっていう問題。全然許せないですよ。だから悶々と考えてるんです」。

今年のクイーンズ駅伝では、3区を走り終えた福士加代子選手(34歳)と、これから4区に出走する小崎まり選手(41歳)が中継所で笑顔で話している姿や、アンカーの渋井選手(37歳)が競技場に入ってきたときに、トラックの最終コーナーまで駆け寄って声援を送る福士選手の姿が見られた。

この3選手は、自分たちのことを、「しつこいトリオ」だと言っているそうだ。みんな全盛期は過ぎたかもしれないけど、年齢に抗いながら、今も現役として走り続ける、その”生き様”には共感せずにいられない。閉会式では3人で写真に納まり、福士選手の目には涙も浮かんでいたとのこと。これが最後なんて絶対に嫌だ―。いつまでも「しつこいトリオ」が揃い踏みする光景を見ていたい―。そう思うのは自分だけではないだろう。

「今辞めたら納得できない」。この思いが少しでもあるうちは、まだまだしつこく走り続けてほしいと思う。

 

渋井陽子選手から学んだこと

1つのことを長く続けられるというのは、何よりも素晴らしい才能である。