人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【貴乃花親方】ゆとり世代の力士たちに苦戦中

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貴乃花巡業部長「稽古場に顔すら出さない力士…感心しています」ユーモア交え注意書き(10/29 スポーツ報知より)

 大相撲の貴乃花巡業部長(元横綱)ら巡業部が28日、秋巡業に参加する力士へ異例の注意喚起を行った。岡山・倉敷市での巡業で、支度部屋付近に巡業副部長名で2枚の注意書きを貼り出した。
 「稽古の時間、横綱大関が稽古しているのにも関わらず、稽古の土俵に顔すら出さず仕度部屋で寝ている関取衆がおりますが『稽古もしないのによく本場所で勝てるなあ…』と貴乃花巡業部長が感心しています。名前は出しませんが気を付けましょう」
 「横綱大関が稽古をしているのにお昼ご飯を食べている方がおりますが『私どもの現役時代には到底考えられない事だと』貴乃花巡業部長が理解に苦しんでおります。お心当たりの方は十分注意しましょう」
 巡業部からの注意は異例。本文を赤で、部長と副部長の名前を黒で色分けする念の入れよう。一部の力士が稽古場に現れない問題は横綱大関陣が苦言を呈し、自主的に指導してきた。口頭ではなくユーモアを交えた注意書きにしたのは、22日間の過密日程で巡業に臨む力士への配慮もある。
 同行している玉ノ井副部長(元大関栃東)は「(巡業部の)皆で話して、この形にした。現役時代に経験しているから(巡業が大変な)気持ちは分かる。(28日も含め)残り3日間、けがなく終えたい」と力士の気を引き締め、貴乃花巡業部長をフォローした。 

 
まず、あまりにも字がキレイでビックリした!巡業副部長(=元大関栃東さん)本人ではなく、十枚目格行司の木村行宏さんが書いたそうだが、ここまで達筆だと眺めるだけで気持ちがいい!

ウィットに富んだ文言は、「きつく注意するよりも、やんわりと”見ているんだよ”と示す方が効果があるのでは?」と、親方衆で考えたのだそうだ。今は直接叱ると”パワハラ”と言われたりするから、気を使って”つぶやき風”の貼り紙にしたのだろう。

それにしても、「横綱大関が稽古しているのにも関わらず、稽古の土俵に顔すら出さず仕度部屋で寝ている関取衆がおります」というのは、本当なのだろうか・・・?

自分は大学時代、体育会で部活をしていて、一年のときにインカレの団体戦でベスト8で負けたことがあった。それで、先輩たちはみんなそそくさと帰ってしまったのだけど、自分と同期だけは最後まで会場に残って、決勝戦を観戦した。今後のためにも「見ておかないといけない」と思ったし、何よりもその年の大学日本一を決める試合を、「純粋に見たかった」からだ。

強くなりたかったら、まずは「強い人のプレーを観察すること」である。すでに負けてしまった自分たちと、決勝まで勝ち上がっている大学はどこが違うのか。それを知りたくて、一挙手一投足を食い入るように見ていた。だから、もし自分が平幕の力士で、目の前で白鵬日馬富士が稽古をしていたら、そんなの絶対に見たい。仕度部屋で寝ているなんて、自らチャンスを逃しているようなものだ。

でも、これは相撲界に限らず、どこの業界でも言えることのような気がする。うちの会社の若い子たちも、先輩の仕事ぶりを「見て学ぶ」という気はまったく感じられない。常にマイペースで、この貼り紙のように皮肉めいた言い方をしても、そもそも自分のことだと気がつかないのである!

そんなわけで、こちらが何を言っても話が通じないし、やりとりをしても得られるのは虚しさと徒労感だけ。まさに「骨折り損のくたびれ儲け」を肌で実感する日々を送っていたので、この貴乃花親方の記事を読んで、「どこも似たようなものなんだなぁ」と何だかすごくホッとした。扱いに苦労しているのは、自分だけではなかったのだ。

■ 「人間の能力の差はせいぜい5倍だが、意識の差は100倍ある」(日本電産永守重信会長)
■ 「意識の差が結果の差。目標あって結果あり」(リオ五輪女子レスリング48キロ級金メダリスト、登坂絵莉選手父親・修さん)  


「今はそういう時代だから」とか「ゆとり世代の子たちは」とか、”時代”で一括りにするのは間違っていると思う。若くても真面目な子や、向上心がある子はいるし、熱心に稽古に励んでいる力士だっているはず。だから結局は、”個人の資質”の問題なのだろう。

ちょっとした意識の差は、いつか大きな差となって結果に出る。言われないとできないようなら、所詮それなりの人間だ。今月13日から始まる九州場所では、巡業で砂まみれになって稽古をしていた力士に良い結果が出ると嬉しい。

貴乃花親方から学んだこと

強くなりたければ、強い人をよく観察すること。意識の差=結果の差。