人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【石坂真奈美】30歳で一児の母、7年ぶりに現役復帰!

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石坂真奈美、7年ぶり現役復帰で個人総合5位 体操(10/14 日刊スポーツより)

<体操:全日本シニア選手権>◇第1日◇14日◇東京体育館男女団体
 04年アテネ五輪代表の石坂真奈美(30=朝日生命)が、シングルマザーとなって7年ぶりに復帰した。4カ月前に出場を決めた石坂だが、種目別の床運動で3位に入るなど全4種目で安定した演技を披露。51・350で個人総合5位入賞を果たして、チームの優勝にも貢献し「久しぶりにしてはいい緊張感で、よくできた」と笑顔で話した。
 NHK杯4連覇などの実績を持つ石坂が競技を離れたのは、09年の国体後。直後に結婚し、翌10年には長男宗一郎くん(6)が誕生した。その後離婚して、3年前から指導者として体操界に復帰。2年前からは古巣の朝日生命でコーチを務めていた石坂を現役復帰へ後押ししたのは宗一郎くんだった。「何でママは試合に出ないの?」の言葉に試合出場を決意した。
 現役当時とほとんど変わらない151センチ、39キロのサイズを維持。午前中はクラブの事務、午後は指導で自身の練習は「2時間を週に2、3回」と多くはないが「集中してやっています」と話す。宗一郎くんからは毎日「優勝してね。頑張ってね」と励まされた。元夫にも「一応連絡したら、頑張れと言われました」。家族の応援が、力になった。この日もスタンドから「ママ頑張れ!」と愛息の声。「うれしかったですね。頑張れました」と笑った。


 「アテネ五輪の体操」と言えば、誰もが思い出すのは男子団体の「栄光の架橋」だろう。日本中を感動の渦に巻き込んだ金メダルメンバー(=冨田洋之さん、鹿島丈博さん、米田功さん、塚原直也さん、水鳥寿思さん、中野大輔さん)は、6人全員がすでに現役を退いているのだが、このとき一緒にオリンピックに出ていた石坂真奈美選手が、「7年ぶりに現役復帰」という嬉しいニュースが飛び込んできた!

リオ五輪の代表選手では20歳の寺本明日香選手(中京大学)が最年長だったように、女子体操は極めて選手寿命が短い競技である。30歳で現役に復帰するのは本当に稀なことだし、引退後に「結婚→出産→離婚→シングルマザー」となっていたことは全く知らなかったので驚いた。島倉千代子ではないけど、まさに「人生いろいろ」である。

そして、もう一つ驚いたことは、7年のブランクがあるのに体型(151センチ、39キロ)が全く変わっていなかったことだ。今大会の演技中の写真を何枚か見たけど、昔の写真かと思ったほど。4ヶ月前から2時間のトレーニングを週に2・3回行って、7割程度の力を取り戻し、”マスターズ”ではなく”一部”の試合での5位入賞は「素晴らしい」の一言だ。

「何かに没頭した記憶を、体は決して忘れない。それが今の自分と化学反応を起こし、感覚をシャープにしたり、発想をユニークにしたりしてくれる。何かにハマった経験がない人は、平板だ。熱中することは、その時何の利益がないとしても、やがて大きな実りをもたらしてくれる」(人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、 がっかりするほど見ていなくはない/見城徹藤田晋


筋肉には記憶力があって、それを「マッスルメモリーと言うそうだ。これがあるから、かつてオリンピアンだった選手がトレーニングを再開したとき、普通の人よりも速いスピードで元の体型や筋力に戻るのだろう。

自分は市民ランナーなのだけど、フルマラソンを走った後、1ヶ月ぐらい全く走らないことがある(いわゆる”サボリグセ”というやつだ!)。それで練習を再開すると、最初の数日は「きついなぁ」と思うけど、そのうち元に戻って、普通に走れるようになるのだ。

レベルの差は違えど、誰にでもマッスルメモリーは存在している。学生時代に耳にタコができるほど言われた「流した汗と涙は無駄にならない」という言葉を、石坂選手のニュースで、そして自分自身の身体で、ひしひしと実感している今日このごろである。

 

石坂真奈美選手から学んだこと

流した汗と涙は無駄にならない。あとになってから、そのことがよくわかる。