人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【アレックス・ザナルディ】失ったものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ

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元F1レーサー ザナルディが金「とても幸運」自身4個目メダル(9/16 スポーツニッポン

リオデジャネイロパラリンピック ハンドサイクル男子個人ロードタイムトライアル
 元F1ドライバーのアレッサンドロ・ザナルディ(49=イタリア)が、自身4個目のメダルとなる金メダルを獲得した。20キロのコースを2位と2・9秒差の28分36秒81でフィニッシュ。「今日ばかりは神に感謝した。私はとても幸運だ」。
 91~99年にF1で41戦に出場し、01年にレース中の事故で両脚を切断。前回の12年ロンドン大会では金メダル2個、銀メダル1個を獲得した。


「失ったものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」。これは、パラリンピックの創始者=ルードヴィヒ・グットマン博士の名言だ。ザナルディ選手は自らの人生において、この言葉を体現しているアスリートである。

元F1ドライバーで、97年と98年にはCARTで2年連続シリーズチャンピオンになったアスリートが、01年のレース中に生命が危ぶまれるほどの大事故で両脚を切断。第三者がニュースで聞くだけでも本当にショックだし、「もし自分が同じ立場に置かれていたら・・・」と考えるだけで胸が苦しくなる。

でもザナルディ選手は、両脚を失ってもレースへの思いを失うことはなかった。事故から4年足らずの05年から、BMWが特別に製作したハンドドライブ仕様のマシンを駆り、『世界ツーリングカー選手権(WTCC)』に参戦し、これまでに4勝。09年からはハンドサイクルに転向して、パラリンピックのロンドン大会とリオ大会で金4つ、銀2つのメダルを獲得している。

誰の人生にも多少の紆余曲折はあるものだが、ここまで振り幅が大きいと、立ち直るのに相当のエネルギーや精神力が必要だと思う。「一つの分野を極めた人は、他の分野でも一流になれる」と言うけど、「CARTのチャンピオン ⇒ パラリンピックの金メダリスト」という壮絶な復活劇を成し遂げるまでには、どれほどの絶望や失意をくぐり抜けてきたのだろう。ただただ、「素晴らしい」という言葉しか思い浮かばない。

「僕はおかげさまで五体満足に生まれてきた。そりゃシーズン中は調子が悪くて、試合から逃げてしまいたいときもある。打席に立ちたくないなと思うこともある。でも、そういうことは克服して当たり前なんですよね」

これはイチロー選手が20歳のころに、雑誌のインタビューで語っていた言葉である。人間は弱い生き物だから、追い込まれると「目の前にある大変なこと」からつい逃げたくなるもの。でも、パラリンピアンたちのひたむきな生き様を見ると、「そういうことは克服して当たり前」なんだなぁと思う。

リオ大会を戦い終えたザナルディ選手は、またレース活動を再開するとのこと。「僕の人生はたくさんのことを可能にしていく終わらない栄誉の連続なんだ」。今後も私たちは、彼からたくさんのことが学べそうである。

 

アレックス・ザナルディ選手から学んだこと

失ったものを数えない。残されたものを最大限に生かす。