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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【山本美憂】遅れてきたルーキー、42歳で総合格闘技デビュー!

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「タックルはさすがの切れ味、倒した後の ”決め技” が課題か」

山本美憂 総合デビュー戦で苦杯…アーセンと母子同時白星ならず(9/26 スポーツニッポンより)

◇RIZIN FIGHTING WORLD GP2016 無差別級トーナメント開幕戦(2016年9月25日 さいたまスーパーアリーナ
 総合格闘技デビューとなった元レスリング世界女王の山本美憂(42)は、シュートボクシングの女王・RENA(25)に1R4分50秒、腕三角絞めで敗れた。昨年末デビューの長男・山本アーセン(20)は才賀紀左衛門(27)に2―1で判定勝ちし、総合2戦目で初勝利をマークしたが、母子同時白星はならなかった。

 
こういう結果になると、どうしても42歳という年齢のことばかり言われてしまうけど、レスリングで三度も世界一になった実績のある人が、この歳で総合格闘技に挑戦しようという「心意気」がまず素晴らしいと思う。

自分は市民ランナーなのだけど、マラソンはあくまでも ”趣味” だから、レースで失速したとしても「自分が悔しい」だけで済む。でも、山本選手の場合は ”興行” だから、「お金を払って見に来てくれている観客の前で無様な試合はできない」というプレッシャーがあるだろうし、オファーを引き受けるのも「相当な覚悟」が必要だったはず。それを考えると、ただただ尊敬の気持ちしかない。

対戦相手のRENA選手も同じような思いを抱いていたようで、試合が終わってすぐに山本選手のところに行って、ひざまずいて握手を求めていたし、その後のマイクパフォーマンスも圧巻の一言だった。

「皆様、本日はご来場いただきまして、誠にありがとうございます!格闘技人生で一番緊張したんじゃないかっていうぐらい緊張して・・・でもそれは、対戦相手である山本美憂選手が本当に素晴らしい選手だから、そういうふうに思いました。山本美憂選手、ありがとうございました!」


これをテレビで見ているとき、デジャヴ・・・というか、どこかで似たような挨拶を聞いたことがあるなぁと思ったら、つい先日行われた『WBC世界スーパーバンダム級タイトルマッチ』の試合後に、長谷川穂積選手が次のように言っていたのだ。

「まず、この対戦を受けてくれたウーゴ・ルイス選手に尊敬の念を送り、皆さんから拍手をしていただきたいと思います。本当にありがとうございました!」


戦い終わった直後というのは、頭にまだ十分血がのぼっている、いわゆる過熱状態だと思うのだけど、そんなときでも対戦相手へのリスペクトや気遣いを忘れない。やっぱり「競技者として一流」の人は「人間としても一流」なのだ。

今回、RENA選手が挨拶に来たとき、山本選手も同じようにひざまずいて手を握り返していた。こういう美しい光景を見ると、「この試合を見てよかった」という気持ちでいっぱいになるし、「スポーツっていいなぁ」という思いが一段と強くなる。

スポーツの世界に「たられば」は存在しないけど、もし山本選手の全盛期(1990年代)に女子レスリングがオリンピック種目になっていたら、いったい何連覇ぐらいしていたのだろうかと思う。「生まれてくるのがあと10年遅ければ・・・」と惜しまずにはいられないけど、ずっと第一線で密度の濃い人生を歩んできたその佇まいには、彼女の内面や生き様が表れている。

試合に負けたとしても、年齢を重ねて、種目を変えてでも挑戦し続ける姿は本当に美しい。Life is only once。たとえ周囲から白い目で見られたり、酒の肴にされたとしても、それでも自分は「挑戦者の人生」を選びたい。山本選手の試合を見てそう思った。

 

山本美憂選手から学んだこと

人生は一度きり。いくつになっても、挑戦し続ける姿は美しい。