人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【ケイラ・ハリソン】投げ入れるプレゼントを準備していた柔道家

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リオ五輪女子柔道78キロ級で金メダルを獲得した、ケイラ・ハリソン選手(アメリカ)。12年ロンドン大会に続く2連覇は、「全試合一本勝ち」という圧巻の内容だった。

中でも特筆すべきは、チュメロ選手(フランス)との決勝戦である。立ち上がりからガンガン攻めて(開始25秒で技が4回!)、途中で相手に指導が2枚、このままいけば逃げ切れるのに、最後まで攻めの姿勢を崩さず、残り6秒、腕ひしぎ十字固めで一本勝ち。ハリソン選手は”女性”だけど、本当に心意気が”男前”でカッコいい!

リオ五輪の柔道競技では、表彰式の後に金メダリストが「大会ロゴの入ったゼッケン」と「柔道の帯」にサインをして、スタンドに投げ入れるというセレモニーを行っている(すごくいいファンサービスだと思うので、ぜひ東京五輪でもやってもらいたい!)。

ハリソン選手もこの儀式を無事に終えて、そのまま退場するかと思いきや、コーチから黒い袋を受け取って、その中に入っていた私物を次々と客席に向かって投げ始めた。そう、金メダルを獲ることを予想して、観客へのプレゼントを自主的に準備していたのだ!(※表彰式の動画はコチラ。投げ込むのは13分15秒あたりから)

そして、これがその様子を見ていた、実況アナウンサーと解説の杉本美香さん(ロンドン五輪柔道78キロ超級銀メダリスト)のやりとりである。 

アナ 「自分のプレゼントも用意していたようですね」
杉本 「もう優勝するって決まってたみたいなかんじですね」
アナ 「いやー、これは非常に粋なことをこのケイラ・ハリソン選手はしてくれます。何かこのあたりはやはり杉本さん、金メダリストしてのその自覚といいますか、そういうのがあるんでしょうねぇ?」
杉本 「ありますねぇ。本当に何か、人の喜ばせ方もわかってるし、絶対優勝するっていうこの準備、もう何か尊敬しますね」
アナ 「あ、これ今、日本人、羽賀龍之介の応援団の中に、どうやらハリソン選手のサインの入った黒い帯が投げ込まれたようです」 

 

一番最後に投げ入れた、メインのプレゼントの黒帯を、日本人のおじさん(おそらく羽賀龍之介選手の応援団の方)がちゃっかりゲットしていたのは笑ったけど、何度でも見たくなるような温かい光景で、自分は一瞬でハリソン選手のファンになってしまった!

それで話は決勝戦に戻る。このままいけば指導の差で優勢勝ちという状況。無理して前に出て逆転負けしたら、準備していたプレゼントが渡せなくなってしまう。自分だったら確実に守りに入るところだけど、それでもハリソン選手は前に行くのだ。「絶対勝つ」と信じていたのだろう。一本を取りに行く柔道を、最後の最後まで貫いた。この「信念の強さ」に、心の底から拍手を送りたい。

全日本柔道連盟の情報によると、ハリソン選手は「自らがこどもの頃からのコーチに性的虐待を受けていたことを公表し本を書きました。その売り上げを元に性的虐待を受けた子供たちがスポーツを通じて立ち直る為の基金を作って支援を続けています」とのこと。そんな忌々しい過去があったなんて微塵も感じさせないような、素晴らしい笑顔&圧巻のパフォーマンスだった。実力・人間性ともに、「世界一の柔道家」に相応しい選手だと思う。


ケイラ・ハリソン選手から学んだこと

自分が望む結果が出ることを強くイメージして、準備をする。