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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【福島千里、飯塚翔太】「あっという間でしたー!」「鳴ったら走る、それだけ」

陸上

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先週末に行われた、陸上のリオ五輪代表選考会を兼ねた「日本選手権」。最終日の200メートルは男女ともに見ていて胸がスカッとする、素晴らしいレースとなった。

女子で優勝したのは福島千里選手(北海道ハイテクAC)。自らが持つ日本記録を100分の1秒更新する22秒88の見事な快走で、リオ五輪代表に内定した。この笑顔のゴールを見ているだけで、こっちまで嬉しくなる!

そんな福島選手の魅力は何と言っても、「他を寄せ付けない圧倒的な走り」と「レース後のインタビュー」のギャップである。話し方が少し舌足らずなかんじ(失礼)で、受け答えも天然なので、レースは安心して見られるのだけど、インタビューはいつもハラハラするのだ。

今回も、日本新を出した走りの感触を聞かれて、あっという間でしたー!」という第一声から始まり、最後は「もうひと皮・・・だったり、もう・・・うーんと、もう・・・ワンステップ、ツーステップ・・・あのー、すいません・・・どうしよう・・・あのー、成長できるようにこれから頑張っていきたいです」という抱負で締めた。

「もうひと皮・・・」のところで黙ってしまったときに、思わずテレビの前で「(続きは)むけるだよ!」と教えてあげたくなった。福島選手は今回の日本選手権で、100メートルは7連覇、200メートルは6連覇を達成。今までも数えきれないほど優勝インタビューを受けているはずなのに、毎回安定してこんなかんじなのである。だが、そこがまたいい!

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男子で優勝したのは飯塚翔太選手(ミズノ)。福島選手のインタビューの後、「記録が出る雰囲気」の中で行われたレースで、日本歴代2位の20秒11でゴール。派遣設定記録を突破し、リオ五輪代表に内定した。

飯塚選手は、2010年世界ジュニアの200メートルで日本人初の優勝を果たし、ロンドン五輪にも出場している実力者だが、昨年のこの大会では決勝で右足を痛めて途中棄権という挫折を味わった。そのときに足を押さえて、トラックにしゃがみ込んでいる映像が頭に残っていたので、「今年は無事にゴールしてほしい」と思っていたのだが、今季世界10位タイという好記録は”完全復活”と言っていいだろう。

そして、この飯塚選手のレース後のインタビューが、(福島選手の後だったから余計にそう思ったのかもしれないけど)すべての受け答えがハキハキしていて、聞いていてとても気持ちが良かったのだ。

「ほとんどレース中のことは覚えてないんですけど、もう本当に”鳴ったら走る”、それだけを考えて走りました」「”出れなかった人の代わりに僕らが戦っていく”という気持ちを忘れずに、どれだけ自分が通用するか楽しみですし、楽しむためにも練習を頑張りたいと思います」

「鳴ったら走る」というのは、スプリンターの心意気をシンプルに表現した名言だと思う。「出られない人の代わりに」という言葉が間髪入れずに出てきたのも好感が持てた。飯塚選手は昨年、北京世界陸上に出場できなかったから、出られない選手の悔しさや無念さがよくわかるのかもしれない。

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福島選手と飯塚選手は、日本選手権の翌日に行われた陸上リオ五輪代表の公式ユニホーム「サンライズレッド」の発表会に出席した。ともに好タイムで優勝したので、こういう場に呼ばれるのも当然である。

福島選手だけがセパレートタイプを着ているので、美しく割れた腹筋がいっそう際立って見える(お腹にたくさん貼ってあるシールは一体何なのだろうか?)。飯塚選手は「ミズノ」の所属選手なので、「アシックス」のウェアとシューズを身に着けているのは少し違和感があるけど、ここでは日本陸連の公式スポンサーが優先なのだろう。

「日本人が短距離で勝つことは難しい」と言われるが、リオでは0.1秒でも0.01秒でもいいから、自己ベストを更新してほしい。今までの自分の中で一番速く走って、それでも次のラウンドに進めないなら、それはそれで仕方がない。「ほのぼの」と「ハキハキ」、テイストは真逆だけど、1回でも多く二人の笑顔のインタビューを聞きたいと思う。

 

福島選手と飯塚選手から学んだこと

言葉や話し方には人柄が出る。何が正解というのはない。いつも自分らしく。