人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【宇佐美貴史】人生を懸けた再挑戦

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ドイツ1部リーグのアウクスブルクに完全移籍することが決まった、日本代表FW・宇佐美貴史選手(ガンバ大阪)。6月25日の名古屋戦後に行われた「お別れセレモニー」でのスピーチが素晴らしかった(泣けた)ので、全文を掲載したい。

 

 昨日、何を話すか考えて、ガンバ大阪での日々を振り返って、昨日は一人で泣きました。考えれば僕の人生の中ではガンバ大阪というクラブが中心にないことがなくて、0歳くらいからガンバ大阪の試合を見にきて、僕の夢はプロサッカー選手になることでもなく、Jリーガーになることでもなく、ガンバ大阪の選手になることでした。

 今この会場に来ている子供たちと同じように、僕もスタンドから声援をあげて、ガンバ大阪の選手たちを応援していました。そのサポーターだった自分が、サポーターの皆さんに応援してもらい、声援をあげてもらうこの環境は、本当に夢のようでした。

 皆さんに伝えたいことは、本当に心の底から感謝しかありません。このセレモニーも二回目ですけど、一回目も盛大に送り出してもらって、心身ともにボロボロになって帰ってきた自分に、温かくおかえりと、最初の練習では「またここから這い上がれ貴史」と横断幕を掲げてもらい、 J2のガンバ大阪に帰ってきて恐怖心ばかりだった自分の心が柔らかくなって、皆さんが喜ぶように、またガンバ大阪が這い上がれるようにということだけを考えて日々をやらせてもらいました。そんな中で皆さんとともに獲れたタイトルは、最大の喜びであり、最大の誇りです。

 一度目はボロボロになって皆さんに助けてもらって、ここまで何とか這い上がらせてもらいましたが、二度目は粘り強く、地面に這いつくばってでも努力を重ねて、皆さんに助けてもらう必要がないくらいの男に成長して、またいつか、このクラブでやれることを夢見ています。

 その時はまた、温かく「おかえり」と迎えてもらえたらうれしいですし、本当に必要とされるべき男になりたいと思います。僕はこれからガンバ大阪の選手ではなくなりますが、ガンバ大阪のファンでは永遠にあり続けますし、そうい意味では皆さんと一緒です。皆さん、これからもガンバ大阪をよろしくお願いします。

 最後になりますが、僕は本当に皆さんのことを心から愛しています。これからも僕も応援を続けて頂ければ幸いです。本当に今までありがとうございました。

 

本当に気持ちがこもっていて、「ガンバが大好きなんだなぁ」というのがよく伝わってくる。個人的に、宇佐美選手はやんちゃでチャラいイメージがあったのだけど、こんなにも大人で、しっかりしたコメントができることに驚いた。

数日前に行われた移籍会見での一問一答も、「挑戦のない人生、壁にぶち当たらない人生は自分らしくない。壁に当たる人生を選んだ」「きっと苦しいし、楽しくないことも多いと思うが、成長のため、自分のサッカー人生のために決断した」 など、素直に応援したくなるコメントばかり。1度目の移籍(バイエルン・ミュンヘン)の時に比べると、精神面でもかなり成長していることが伺える。

「海外のサッカークラブに移籍する」というのは、きっと私たちが想像する以上に大変なことがたくさんあるのだと思う。宇佐美選手は一度経験していて、そのことは十分にわかっているはずなのに、ガンバでの”不動のエース”という地位を捨ててでも、成長のためにあえて厳しい環境を選ぶ。この心意気に、自分はたまらなく惹かれるのである。

舛添要一東京都知事は、会見で「精査」と「第三者の厳しい目」を連発していたけど、宇佐美選手は会見で「挑戦」という言葉を何度も何度も口にしていたそうだ。1度目が失敗に終わったことが悔しくて、「このままでは終われない」という気持ちが強いのだろう。

「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる」

これはパナソニック創業者・松下幸之助さんの名言である。これを宇佐美選手の言葉に置き換えると、「1度失敗して、2回目に成功するストーリー」ドイツで絶対に実現させてほしい。

日本でプレーする宇佐美選手を見れなくなるのは残念だけど、ハリルジャパンで成長した姿を見られれば満足だ。それが、温かく送り出してくれたガンバサポーターへの最高の恩返しでもあると思う。

 

宇佐美選手から学んだこと

失敗したところでやめない。成功するまで何度でも続ける。