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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【勝みなみ】勢いから真の実力への中間点

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「涙の数だけ強くなれる(岡本真夜風)!今後の活躍に期待!」

 

勝みなみ、アマ2勝目逃しV逸に涙「すごく悔しいです」(6/20 スポーツ報知より)

◆女子プロゴルフツアー ニチレイレディス最終日(19日、千葉・袖ケ浦CC新袖C、6569ヤード=パー72)
 首位で出た勝みなみ(17)=鹿児島高3年=は4バーディー、5ボギーの73と伸ばせず通算9アンダーの2位に終わった。1988年のツアー制施行後、初のアマチュアの完全優勝と2勝目を逃して悔し泣き。一方で「5位以内」という母との約束は達成し、念願だった新スマートフォンiPhoneを手に入れた。68で回った韓国の申ジエ(28)=スリーボンド=が、12アンダーでツアー史上3人目となる大会3連覇を達成。今季2勝目で賞金ランク首位に返り咲いた。
 


2014年の「KKT杯 バンテリンレディスオープン」で、史上最年少優勝(15歳293日)を果たした勝みなみ選手(鹿児島高校3年)。初日から首位を走り、史上初の「アマによる完全優勝&ツアー2勝目」が期待されたが、惜しくも2位に終わった。

優勝したのは大会2連覇中で、元世界ランキング1位の申ジエ選手。米ツアー時代、最終日に無類の強さを発揮することから「Final Round Queen」との異名を持っていて、今回も「アマチュアに勝たせるわけにはいかない」と気迫溢れるプレーで最終日に逆転した。

勝選手は優勝こそ逃したものの、日本人最上位の2位。プロと互角に戦える実力を証明し、ローアマとして「笑顔」で表彰式に出席した・・・かと思いきや、「悔し涙」を流していたのである!なんでも、大会の主催者から「今大会を盛り上げてくれた勝さん、優勝はできなかったけれど、いつか申ジエさんみたいに3連覇をするような選手になってください」と声をかけられて、涙腺が一気に決壊したとのこと。

17歳のアマチュアがプロの試合に出て、2位という好成績を残したのに、「優勝を狙っていたので」と悔し涙を流す。この姿を見て、心を打たれないゴルフファンはいないだろう。こういう選手はこれから必ず強くなる。

今大会の勝選手は、ツアー参戦44試合目にして初めて首位で最終日を迎えたということで、「優勝の2文字がずっと頭にあって、気持ちが先走って、それに体がついていかなかった」そうだ。シドニー五輪柔道男子81キロ級金メダリストの瀧本誠さんが、試合後のインタビューで「なにがなんだかわからないうちに勝っちゃって」と言っていたけど、勝選手が15歳で優勝したときも、おそらくそんな感じだったのではないかと思う。

「無心」ほど強いものはないのである。でもその強さは”期間限定”で、キャリアを重ねるうちに「無心」でプレーすることはできなくなる。なぜなら、追う立場から追われる立場になって、今度は「勝たなければならない」というプレッシャーが襲ってくるからだ。こういう「気持ちと体がうまくかみ合わない状態」を、個人的にも学生時代に経験したことがある。

(勝選手と比べたらうんとレベルの低い話で恐縮なのだけど)大学2年生の時に関カレの個人戦で3位になった。1位と2位は4年生の先輩。その人たちはもう卒業していなくなるのだから、当然「来年からは自分の時代がくる」と思っていた。ところが、それがこないのである。

3年生になり、チームの主力としての自覚が芽生えると、下級生のころのような勢いがなくなって、のびのびとプレーができなくなった。その結果、怖いもの知らずで挑んできた1年生に負けてしまうことも・・・。最終学年では吹っ切れて復活できたのだけど、何をやってもうまくいかなかった3年生の1年間は、「勢いから真の実力への中間点」だったように思う。もしかしたら勝選手も、今はこの地点にいるのかもしれない。

2016年の「女子ゴルフ賞金ランキング」(※6月19日現在)は、1位 申ジエ選手、2位 イ・ボミ選手、3位 キム・ハヌル選手と、韓国勢が上位を席巻している。勝選手は今回の悔しさをバネにして、そして17歳にしてプレッシャーがかかる選手であることを誇りに思って、韓国勢に負けない強いゴルファーに成長してほしい。史上初のアマ2勝目が今季中に見られると嬉しい。

 

勝みなみ選手から学んだこと

追う立場よりも追われる立場の方が大変。でもプレッシャーがかかる選手であることは、誇らしいことである。