人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【福士加代子】カステラを差し入れた後輩の正体

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本日開催された『第6回 高橋尚子杯 ぎふ清流ハーフマラソン』に、リオ五輪代表の福士加代子選手(ワコール)が出場し、1時間12分4秒で日本人トップの6位に入った。

今日はあくまでも練習の一環ということで、優勝したユニスジェプキルイ・キルワ(バーレーン)選手のペースにはついていけなかったようだが、3ヶ月後に迫った本番ではメダル争いが十分に可能なレベルにある。

そんな福士選手と言えば、今年1月の大阪国際女子マラソンが記憶に新しい。「リオかゼロか」という一世一代の大勝負だった今回は、スタミナ切れによる後半の失速を防ぐために、当日の朝に「どんぶり飯」でごはんを食べた後に、「お弁当箱みたいな大きさ」のカステラを完食してからレースに臨んだそうだ。

そして、そのカステラを差し入れたのが、ワコールの後輩で元日本ジュニア記録保持者の阪田直子さんである(この名前を聞いてすぐにピンときた方は、かなりの陸上通とみた!)

阪田さんは立命館宇治高校3年生のときに、全国高校駅伝で栄光のゴールテープを切ったランナーで、2年生のときにインターハイと国体の3000mで優勝している。この2つの大会に、学年が1つ上の福士選手も出ていたのだけど、当時は決勝に残るのが精一杯で、阪田さんには全く歯が立たなかった。

今でも覚えているのが、国体で阪田さんが優勝してインタビューを受けているときに、その背後を遅れてゴールしてきた福士選手が、「全然ダメだったぁ」みたいな苦笑いの顔で通り過ぎて行ったということだ。それをたまたまテレビで見ていて、「今、映った青森の選手って誰だ?」と思って調べたのが、自分が福士選手のことを初めて知った瞬間だったと思う。

その後、二人はワコールのチームメイトとなったが、陸上選手としての地位は逆転する。阪田さんにとって福士選手は、かつては勝っていた相手。活躍を見せつけられて悔しい思いもあるだろう。でも今は現役を引退して、滋賀県の「正栄堂」という老舗の和菓子屋さんに嫁いだということで、お店の名物のカステラをどっさり送ってきたのである。福士選手は阪田さんが今でも気にかけてくれることが嬉しくて、とても力になったそうだ。

 

誰もが自分という人生の長距離ランナーで、それぞれのゴールを目指し走っています。励ましの声を掛け合ったり、給水を渡し合ったり、助け合って進んでいる。(マラソン解説者・増田明美さんの名言)

 

リオ五輪女子マラソンが開催されるのは8月14日。福士選手は、34歳4ヶ月でこの日を迎える。思えば高校を卒業してから16年もの長い間、ずっと日本女子長距離界の第一人者として君臨してきたのだ。こんなに息の長いランナーは本当に珍しい。他には渋井陽子選手(三井住友海上)ぐらいだろうか。

何度もフラフラになりながらゴールした、衝撃の初マラソンから8年。歩んできた競技生活のストーリーを知っている選手は人一倍応援したくなる。「やっととったよ、一等賞!いやーうれしい!ホントうれしい!ガハハハー!」 という福士選手らしい ”舌好調” のインタビューが、リオでもまた見られますように。

 

福士選手から学んだこと

昨日の敵は今日の友。ここぞという時の応援は、本当に嬉しいもの。