人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【田児賢一、桃田賢斗】人生を台無しにする体育会の魔法

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バドミントン男子の桃田賢斗選手、田児賢一選手による違法賭博問題。その後の調査で、インカレ3連覇中のホープ・西本拳太選手(中大4年)も違法カジノ店への入店が発覚した。『田児 ↔ 桃田』はNTT東日本の先輩後輩、『田児 ↔ 西本』は埼玉栄高校の先輩後輩に当たるということで、「体育会特有の上下関係がよくない方向に働いた」というのが世間の論調のようだ。

 

桃田 「自分がちゃんと断っていればこんなことにはならなかったと思うし、申し訳ないです」
西本 「田児先輩に『ついて来い』と引っ張られた。殴られてでも行かなければよかった」

 

個人的に、上下関係の厳しい体育会の部活で大学4年間を過ごした。だから、先輩の誘いを断れなかった後輩の気持ちは痛いほどよくわかる。以前、イチロー選手が高校時代を振り返って、「1年はゴミ、2年は人間、3年は神様みたいなかんじだった」と言っていたけど、実感としては本当にそのとおり。1年生はひたすら地獄、2年3年とだんだん人間らしい生活ができるようになり、4年生の最後の一年だけはやりたい放題できるので、それはそれは楽しくて仕方がなかった。これだから体育会の悪しき伝統はいつまでたってもなくならないのだと思う(自戒も込めて)。

1年生のころ、最も精神的にきつかったのは、先輩からの突然の呼び出しである。真夜中に電話がかかってきて、「今から◯◯に来い!」。断ることは許されない。しかも、「△時までにこなかったら、明日罰トレだ」なんて言われるものだから、いつも競輪選手になったような気分で、全速力で自転車のペダルを漕いで駆けつけていた。”◯◯=来るように指定された場所”が、自分の場合はファミレスやカラオケボックス、あるいは部員の誰かの家だったのだけど、桃田選手と西本選手はそれが違法カジノ店だった。だから「自分も一歩間違えたら…」と思うと、他人事ではいられない。

高校時代に全国大会で上位に入った選手は、多くの大学や実業団から勧誘を受ける。部を強くするためには、強い選手を獲得するのが一番手っ取り早い方法だからだ。しかしそんな中で、選手の「競技力」よりも、「素行」や「人間性」を重視してスカウティングをしているのが、現在、箱根駅伝で2連覇中の青山学院大学陸上競技部・原晋監督である。

まだ青山学院がそんなに強くなかった時期に、素行に目をつぶってタイムが良い選手を獲得したことがあった。ところが、その選手たちの問題行動のせいで、チームの和が乱れてしまい、それからは「記録だけではなく、人柄や生活態度をよく見るようにしている」のだそうだ(※「新・山の神」こと神野大地選手も、気持ちが強くて真面目な人間性を見込んでスカウトしたとのこと)。

今回のバドミントンの違法賭博問題を受けて、原監督と同じポリシーを持った指導者が増えたのではないだろうか。それと同時に、アスリートが進路を決めるときも、「素行が悪いと噂される選手」がブイブイ言わせているようなチームは、朱に交われば赤くなる可能性があるので避けた方が賢明かもしれない。

桃田選手は、高校を卒業してNTT東日本に入った。バドミントンしか知らないスポーツバカ」だという声をよく耳にするけど、バドミントンのためにバカじゃないかと思えるほどの努力ができるスポーツバカ」でもあったと思う。それだけに、人生を台無しにするような田児選手の魔法にかかってしまったことが残念でならない。

 

田児選手と桃田選手から学んだこと

選手の「素行」や「人間性」をよく見るようにする。