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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【浅見八瑠奈、三浦知良】それでも人生は続く

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柔道女子48キロ級、浅見八瑠奈選手(コマツ)。2010年、2011年の世界選手権で2連覇を達成。”谷亮子さんの後継者”としてロンドン五輪代表の最有力候補だったのだが、最終選考会でまさかの初戦敗退。ほぼ手中に収めていた代表の座を、福見友子さんに奪われた。自分にがっかりだった。何で頑張ったのに結果が出ないんだろうとか、そんな感じだった」 

それから3日後、浅見選手が負けたときに、地元の子供たちが呆然としている表情が映しだされた新聞記事が目に入ってきた。みんな一生懸命応援してくれていたのに、自分があっけなく負けてしまったためにこういう顔にさせてしまった。「子供たちを悲しませたまま終わることはできない」。失意のどん底から、もう一度オリンピックを目指すことを決意した。

そして迎えたリオ五輪最終選考会。28歳になった浅見選手は、故障も増え、満足に練習ができない日々が続いた。国内では20歳の近藤亜美選手が台頭。それでも必死に前を向いて頑張ってきた。「4年待ってやっときた。次に繋げたい、ここで終わりたくないと言う気持ち」。しかし、その思いは届かなかった。

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サッカー元日本代表で、横浜FCに所属している”キングカズ”こと三浦知良選手。49歳になった今シーズンも現役で、自身が持つJ2の最年長出場記録を更新し続けている。

三浦選手のことを語る上で、W杯のことは避けて通ることができない。あと一歩でアメリカ大会出場が叶わなかった”ドーハの悲劇”。その4年後のフランス大会は、「外れるのはカズ、三浦カズで落選。金髪にして帰国し、「日本代表としての誇り、魂みたいなものは向こう(フランス)に置いてきた」と気丈にコメントしていたのが今も忘れられない。

当時、日本代表監督だった岡田武史さんとは、昨年開催された『阪神淡路大震災20年チャリティーマッチ』で対戦。三浦選手が軽めのスライディングタックルを仕掛ければ、今度は岡田さんが抱きついて止めるなど、仲睦まじい?姿を見せてスタジアムを沸かせた。全盛期に比べるとパフォーマンスは落ちたかもしれないが、その人柄や生き様に共感を覚える人はたくさんいると思う。

逆境を乗り越えて成功したストーリーは、人の心に染み込みやすいものだ。ロンドン五輪落選の悪夢を乗り越えて、リオ五輪で金メダル獲得」ドーハの悲劇を乗り越えて、フランスW杯で大活躍」。浅見選手も三浦選手も、このようなストーリーを描くだけの実力は十分に持ち合わせている選手だったのに、ほんの少しのボタンの掛け違いでこのような結末になってしまう。スポーツは時に残酷なものだと、改めて実感せずにはいられない。

「一気に100メートル進まなくていい。1センチでいいから前へ進むんだ」

これは三浦選手の著書『やめないよ』に出てきたフレーズである。「応援に来てくれた人たちに1試合しか見せられず申し訳ない。リオの先は全く白紙。もう少しやりたかった」と目を赤くしていた浅見選手には、この言葉を贈りたい。トップアスリートに課せられたミッションは、4年に一度の大舞台で活躍すること。でもそれと同じぐらい、挫折から立ち直る姿を見せるのも大事な役割だと思う。オリンピックやW杯に出られなくても、浅見選手と三浦選手は余人を持って代え難い、偉大なヒーローである。