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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【小泉今日子】素敵な歳の重ね方 ~後編~

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前編はコチラ

そんなわけで先日、小泉今日子さんの主演舞台『家庭内失踪』を観てきたのである。人生初の生キョンキョンは、思っていたよりも小柄で、すごく顔が小さくて、キレイな人だった。そして、長いセリフも一切噛むことがなく、堂々と演技をしていて、本当に本当にカッコいい女優さんだった。

小泉さんは1997年から20本以上の舞台に出演し、今年に入って『草枕』で紀伊國屋演劇賞読売演劇大賞(優秀女優賞)を立て続けに受賞した。この結果については、「立ち続ければ、少しは成長するということだと思う」とコメントしている。

 

(いろんなジャンルで結果を出していることについて)やっているときは本当に大変だし、口で言うほど自信もないし。よかったのは、性格的に我慢強いから「続けることができる」ということだと思うんです。だから、ひたすら続けていると、どこかに辿り着いているものなのかもね、って思う。書評も10年やらせてもらったから1冊の本になったし。女優業も、ここ20年のあいだ、年に1、2本は舞台に立たせてもらっているし。結果は、継続してきたご褒美なんじゃないかなぁという気がします。(『MEKURU』 VOL.07)

 

長く続けることをきちんとできるということが、大人っぽいなって40代になって思うの。こつこつ続けていく先に、若い時にはできなかった何かが生まれるんだろうなって。文章を書くこともずっと恥ずかしかったけど、たとえば書評委員会も二年で辞めていたら、やっぱり中途半端で恥ずかしいまま終わっていた気がする。(『SWITCH』2008年10月号)

 

続けることが大切だと言えるのは、続けたことがあるからだ。歌も踊りも演技も、何もかもが下手くそだった私が、いつの間にか少しは人様に楽しんで頂けることができるようになっていた。 将来の夢なんて抱いたこともなかった。流されるままに生きてきた。でも、とりあえず続けることだけはできたと思う。(『SWITCH』2016年1月号)

 

優雅に泳いでいるように見えるアヒルも、水面下では必死に足を動かして水かきをしている。アイドル、歌手、女優、文筆業と、あらゆるジャンルで結果を出している小泉さんも、きっと水面下ではそれぞれの分野で、悩んだり、苦しんだり、時には恥ずかしい思いをしながら、必死に日々を積み重ねてきたのだろう。

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16歳でデビューした小泉さんは、今年50歳になった。『家庭内失踪』では途中で、「もういい歳したオバサンじゃない!」というようなニュアンスのセリフを投げかけられるシーンがあったのだけど、それを上手く返して笑いをとっていたし、『小泉今日子書評集』では、 「最近、文庫は特に字が小さくて、眼鏡ナシでは読めなくなりました」と、微笑ましい自虐コメントを添えている。

歳を取ることに抗うのではなく、「50歳になった小泉今日子」という素材を存分に使って、観客や読者を喜ばせる。アイドル時代も可愛かっただろうけど、今のキョンキョンもすごく素敵で愛おしい!

 

 歳を取るのが待ち遠しい。歳を取ることは全然怖くない。否定的に思ったことはないですね。衰えることも含めて、歳を重ねるのは悪くないんじゃないかと思ってます。(『Numero TOKYO』2012年9月号)

 

「(目にものを見せてやるぜ、みたいな感覚は全然なくて)真摯に続けていけば、ちょっとは世界が広くなることはあるかもしれないよ、という感じ」。『MEKURU』のインタビューの中で、小泉さんがこう言っていた。人生は一足飛びにはいかないもの。だからとにかく続けよう。水面下で水かきをたくさんしよう。歳を「とる」のではなく、きちんと「重ねて」いこう。”過剰に異常”なくらい中身がぎゅっと詰まっていて、”清く正しく美しく”て、周囲の人から”あなたに会えてよかった”と言われるような、魅力的な50歳になるぞ!