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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【小泉今日子】素敵な歳の重ね方 ~前編~

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今年の2月4日に50歳の誕生日を迎えた、女優の小泉今日子さん。祝50歳!ということで、全90ページの”キョンキョン特集”が組まれたカルチャー雑誌『MEKURU』が、1ヶ月で2回も重版する大ヒットとなった。(自分は発売日当日に、本屋を3件回ってようやく手に入れることができた!)

読んでみての感想は、久しぶりに「ずっと手元に残して何度も読み返したい雑誌に出会えた」というかんじ。キョンキョンの魅力が「これでもか!」というくらいに伝わってきて、読み終わるのが惜しくて、最後の方はページをめくるのをためらうほどだった。

個人的に、小泉さんが書いた”エッセイ”や、インタビューで発した”言葉”が大好きなのである。自分にとって小泉さんは”雲の上の人”なのに、(例えば下記のような)文章を読むと「そうそう!」「あるある!」と共感できることが多くて、なんだか”身近な存在”に思えて嬉しいのだ。

 

家で静かに過ごす時間ってとっても大切で、そういう時間が充実するとやっぱり幸せ。私にとっての充電器は我が家で、ちゃんと充電されていないと外界に向かう元気が出ない。元気のないまま外に出るとパワー不足で疲れちゃう。(『小泉今日子の半径100m』小泉今日子・著)

  

人といるときにリラックスの仕方がわからなかった。自分を自分以上の人間に見せたいみたいな気分もあったのかな。自由に自然に振る舞うことが相手にとって心地よいのだということがわからずに、相手に合わせようとばかりしてた。(『小泉今日子の半径100m』小泉今日子・著)

 

そんなわけで、今までの著作はすべて読んでいるのだけど、その中でも「最高傑作」だと思うのが、昨年発売された『小泉今日子書評集』である。これは2005年から2014年まで、読売新聞の読書委員を務めていたときに書いた、97本の書評が1冊にまとめられたもの。いわば10年間の”集大成”のような本だ。

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「出来の悪い原稿だったらボツにすること」
。これがこの仕事を受けるにあたって、小泉さんが出した唯一の条件だった。売れっ子の芸能人なら、「本業で忙しい合間を縫って執筆したのに、書き直しなんて冗談じゃないわ!」というような横柄な態度をとってもおかしくないのに、小泉さんが望んだことは、「女優やタレントだからこのぐらいでいいだろう、というような”逆差別”をしないでください」

そして、あえて一番厳しい担当者についてもらい、「いいと言うまで、何度でも書き直しますから」と宣言。実際に、朝イチの飛行機でパリに行く前日も、深夜までずっと原稿を直していたそうだ(しかもパリ行きのことは、担当者には一切言わなかった)。

 

小泉今日子の目線は、「周囲」や「みなさん」に向けられています。「文章書き」としても、「読者を喜ばせること」を常に意識しているのです。「私」という素材をどう使えば他人に貢献できるのか。そういう視点を持つようになった人間は、自身の価値の見積もりが驚くほど正確です。(『小泉今日子はなぜいつも旬なのか』助川幸逸郎・著 より抜粋)

  

小泉さんが「(芸能人である)自分にしか書けない書評を目指した」と言うだけあって、本の内容の紹介だけでなく、アイドル時代のエピソードや、その本を読みながら考えたことなど、”エッセイ”のような要素もふんだんに織り交ぜられている。「文は人なり」という言葉があるけれど、体験や感情を惜しみなくさらけ出して書いてくれたんだというのが、どの書評からもひしひしと伝わってきた。

とにかくあまりにも素敵な本だったので、一気に読むのはもったいないと思い、読むペースを「一日一書評にする」と決めた。97冊分、約3ヶ月をかけて読み終えると、拭い去れない喪失感で、気分は”ため息シュワシュワ水蒸気”に。

そんなとき、「3月から小泉さんが舞台『家庭内失踪』に主演する」というニュースが飛び込んできた!チケットぴあのクリック合戦に勝利し、人生初の生キョンキョンが決定。気分は一転、”瞬間ウキウキ水蒸気”である。続きは後編で。