人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【サンドラ・ブロック、植村花菜】人が嫌がることをする

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ハリウッド女優のサンドラ・ブロックさん。2010年に『しあわせの隠れ場所』で”アカデミー賞主演女優賞”を受賞した。映画人として最高の栄誉であるオスカー像を手に入れた前夜、サンドラさんはある賞の授賞式に出席していた。その賞とは、「ゴールデンラズベリー賞」(以下、ラジー賞である。

ラジー賞というのは、その年の「ワースト映画&俳優」を選んで表彰するもので、毎年アカデミー賞の前日にこっそり発表されているのだ。賞の意味合いから、トロフィーを取りにくる受賞者はほとんどいないのだが、『オール・アバウト・スティーブ(原題)』で”最低女優賞”を獲得したサンドラさんは会場に姿を現し、観衆の大喝采を浴びた。

受賞作のDVDが大量に入ったカートとともにステージに上がり、「何となく、誰もこの映画をちゃんと見ていない気がするの。だって、本当にしっかりと見てくれていたら、私はここにいないはず。だから、皆さんに1枚ずつ『オール・アバウト・スティーブ』のDVDを差し上げます。必ずこれを見て、そして本当に最低の演技だったかどうか再考すると約束してくれたら、私は来年またここに来ます。そして、ラジー賞を返却するわ」と高らかに宣言したのである!

サンドラさんのことは別に好きでも嫌いでもなかったのだが、このニュースを聞いてから好意的な目で見るようになった。不名誉な賞の授賞式に出席する心意気、ユーモア溢れるスピーチ、観客にDVDを配るサービス精神。すごく潔くて、逞しくて、カッコいい対応だなぁと思ったのだ。この翌日、アカデミー賞に輝いたサンドラさんは、ラジー&オスカー同時受賞(同一年では史上初)の快挙?となった。

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昨年、デビュー10周年の節目を迎えた、シンガー・ソングライターの植村花菜さん。2010年に発売されたシングル『トイレの神様』が大ヒットとなり、社会現象を巻き起こした。

この曲は小学生のころ、家庭の事情でおばあちゃんと二人で暮らしていた植村さんの実体験をもとに作られたものである。「花菜、トイレには、それはそれはキレイな女神様がいるんやで」「トイレを毎日ピカピカにしたら、女神様みたいに、花菜も将来べっぴんさんになれるんやで」と教えられた植村さんは、家のトイレはもちろん、学校のトイレ掃除も一生懸命やるようになった。とにかく”べっぴんさんになりたい”という一心だったそうだ。(著書『トイレの神様』より)

路上ミュージシャンの全国大会で優勝し、22歳でデビューしたが、その後4年間は鳴かず飛ばず。次のアルバムで売れなければ契約打ち切りという時に、プロデューサーの寺岡呼人さんと雑談中、何気なく話したおばあちゃんとの「トイレの神様」のエピソードを歌にするように言われた。そして、完成したフルコーラス9分52秒のとても長い曲が評判になり、崖っぷちの植村さんを救ってくれたのである!

ハリウッド女優もシンガー・ソングライターも、次から次へと新しいスターが出てくる。そんな群雄割拠の芸能界において、”その他大勢”から抜け出すためには、「人がやらないこと or 嫌がることをする」しかない。誰だってラジー賞には選ばれたくないし、その授賞式に出るなんて普通はプライドが許さないはず(実際に今まで数名しか出席していない)。また、部屋の掃除はするけれど、トイレの掃除はできればやりたくないという人も多いだろう。だから、チャンスなのである。ただ手を挙げてそれをするだけで好感を持たれるし、存在感を増していくことにもつながるのだ。個人的には、ラジー賞には縁がなさそうなので、まずは自宅のトイレ掃除から始めてみようと思う。べっぴんさんになれるだろうか!?