人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【琴奨菊、豊ノ島】微笑ましいライバル関係

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今年1月の大相撲初場所で、日本出身力士として10年ぶりの優勝を果たした大関琴奨菊関。立ち合い前に体を大きく後ろに反らす、ルーティンの「琴バウアー」も話題になった。

福岡県出身琴奨菊関は、小さい頃から力士になることが夢で、中学校から高知県明徳義塾に相撲留学。このころからライバルだったのが、高知県出身豊ノ島関である。中学・高校としのぎを削りあい、ともに高知県代表として出場した高校3年の国体では、団体戦で優勝。年齢も初土俵も同じで、「二人で関取になれたらいいね」と励まし合っていた。ライバルであり、無二の親友でもあるのだ。

入門から14年の時を経た二人は、今年の初場所で優勝の行方を左右する13日目に対戦することに。「こんなときに当たるんだな」「普段仲がいいから絶対に負けたくない」 互いの気持ちがぶつかり合った一番は、豊ノ島関が勝利。しかし、結果的にはこの1敗を守った琴奨菊関が、14勝1敗で初優勝を飾った。

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そしてこの写真である。初優勝を決めた琴奨菊関を、花道で笑顔で迎える豊ノ島関。「おめでとう」とできるだけ早く言いたくて、待っていたのだそうだ。なんて美しい友情なのだろう!心境を聞かれた豊ノ島関は、「優勝してくれて一番うれしい相手だが、優勝されて一番悔しい相手」と答えた。ライバルとして親友として、切磋琢磨してきた二人の関係がよく伝わってくるコメントだと思う。

「ライバルとは敵対する相手ではなく、お互いに競い合いながら、励まし合いながらも、負けられない友人である」

自分だけが一方的にライバル意識を燃やすのは虚しいし、自分は何とも思っていないのに勝手にライバル視されるのも迷惑な話だ。ライバルは”両思い”でないといけない。お互いに意識する関係になって初めて、強力なライバルになるのだ。

 

一弘(琴奨菊関の本名)へ

今この手紙を京都のホテルで書いてます。まずは、一弘、祐未ちゃん結婚おめでとう。
かれこれ、一弘とは、20年の付き合いになりました。
福岡から、相撲留学で高知の明徳にきて、その頃のことを考えると大相撲の世界で二人こうして対戦できるなんて、思ってもなかったな。
中学・高校とライバル関係で、大相撲に入門してからも、常に意識するのは一弘でした。
一弘がいたからこそ、今の自分があると思うし、今の一弘があるのは、自分がいたからだとも思ってます。
初場所の優勝、おめでとう。結婚式前に優勝するなんて、出来る男やね!
14勝1敗!!たまたま俺が勝ったけど、そんなことより、一弘と優勝争いしながら対戦できたこと本当にうれしかった!!
やっぱり13日目に番付もこんなに違う俺と対戦するなんて、運命感じたね!
大関相手に失礼な話ですが、やっぱ一弘は、一生、俺のライバルです。
これからも、土俵の上ではライバル、土俵を下りれば大親友!でいてください!
一弘、祐未ちゃん、これからも家族ぐるみでよろしく。
末永くお幸せに!

 

これは初場所後に行われた琴奨菊関の結婚式で、豊ノ島関が読んだ手紙である。What a Wonderful letter!What a Wonderful TOYONOSHIMA! 個人的には「一弘がいたからこそ~」のくだりが一番好きだ。こういう存在の人がいるのは本当に幸せなことだし、正直とても羨ましい。披露宴の最後に、「お互い切磋琢磨してやってこられたのは誇り」 と感謝の言葉を述べた琴奨菊関。二人は間違いなく”両思い”だ。

いつかまた優勝争いをしてほしいなぁと思う。もし豊ノ島関が優勝したら、そのときはきっと琴奨菊関が花道で笑顔で出迎えるような気がする!