人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【ゲーリー・ホール・ジュニア、アンソニー・アービン】奇跡は起こすもの

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シドニーオリンピック 競泳男子50m自由形

1位 ゲーリー・ホール・ジュニア(アメリカ) 21.98
1位 アンソニー・アービン(アメリカ) 21.98
3位 ピーター・ファン・デン・ホーヘンバンド(オランダ) 22.03


この写真の3選手のメダルの色に注目!2000年シドニーオリンピック競泳男子50m自由形で、アメリカのゲーリー・ホール・ジュニア選手とアンソニー・アービン選手が21秒98で同タイムとなり、金メダルを獲得した。アメリカの同僚二人が同着優勝を果たしたという、”奇跡のような出来事”である。

競泳では「1/100秒単位で差がない場合は同着」というのがルールになっている。オリンピックの決勝ともなれば、必ず最後はコンマ1秒のタッチの差になる。そのため、ソウル五輪100m背泳ぎで金メダルを獲得した鈴木大地さんが、本番の何ヶ月も前からずっと爪を伸ばしていたというのは有名な話だ。

ゲーリー・ホール・ジュニア選手は、若年性糖尿病を発症していてインスリン注射を打ちながらの挑戦。アンソニー・アービン選手は、”アメリカ競泳史上初の黒人代表選手”ということで人種に関する質問が殺到。肉体的にも精神的にも、競技に集中することが困難な状況にありながら、ここぞの本番にピークを合わせて、1/100秒の誤差もなく同時にタッチをした。この神がかり的な結末の裏側には、いったいどれほどの努力が隠されていたのだろう。何もしないで奇跡が勝手に起こるわけがない。奇跡とは、努力した人が起こすもの、努力した人にしか起こせないものなのだ。

今、目の前に四角い形をしたブラックボックスがあるとする。毎日これに一滴ずつ水を入れる、これが努力という作業だ。どのぐらい水が入っているかは、外から見ることはできない。毎日コツコツ入れ続けると、ある日突然、箱から水が溢れだす。これが本人にとっては長年の努力が報われる瞬間であり、第三者にとっては奇跡が起こったように思える瞬間である。

チームメイトとともに大会(個人戦)に出場するとき、ベストな結果はワンツーフィニッシュ。それも「自分が1位で、同僚が2位」というのが理想だと思う。でも「自分も同僚も1位」なんていう想像の上を行くような、ミラクルな結果が出るときもあるのだ。箱に水を入れること。毎日入れ続けること。これこそが、奇跡を起こす唯一無二の方法である。