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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【増田明美、野山慎介】声がいい!

陸上 一般人

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スポーツジャーナリストの増田明美さん。テレビ朝日マツコ&有吉の怒り新党』の「新・3大増田明美の解説中のミニ情報」というコーナーで絶賛されたように、”聞き心地の良い声 × 詳しすぎるマラソン解説”が大人気だ。

成田高校時代に1万メートルなど7種目で日本新記録を樹立し、「女瀬古」と呼ばれていた増田さんは、20歳のときにロサンゼルス五輪に出場。メダルを期待されたが途中棄権に終わり、帰国後に通りすがりの人から「非国民」と言われるなど大バッシングを受けた。

「心に傷がある人は、他人の傷も理解できる」「傷ついた人ほど、人に優しくなれる」と言うが、自らが辛い経験をしてきた増田さんの解説は、選手に対する愛情が溢れている。基本的に批判をしないし、失速した選手にも労いを忘れない。合間に挟むプライベートの小ネタも、「選手の人となりを伝えたい」という思いからだそうだ。

増田さんの故郷で開催される「いすみ健康マラソン」に出場したことがあるのだが、レース後に旦那さん(「増田明美の夫」と書いたゼッケンをつけていた!)と二人で最寄り駅のホームにやってきて、ランナーが乗った電車が見えなくなるまで手を振って見送ってもらい、大変感激したのを覚えている。エリートランナーも市民ランナーも分け隔てなく、温かく接してくれる人なのだ。

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春のセンバツ夏の甲子園高校野球の開会式で選手宣誓を楽しみにしている方も多いだろう。歴代の中で、個人的に史上最高の出来だと思うのが、2011年春のセンバツ岡山県創志学園高校の野山慎介主将(当時)による選手宣誓である。

直前に東日本大震災が発生し、開催すべきかどうかが議論された大会だった。日本中が傷つき、元気をなくしていたときに、このスピーチを聞いて涙した人もたくさんいたのではないだろうか。声、抑揚、表情、すべてが素晴らしすぎて、何度も何度もYoutubeで見てしまう。(同じことをしている人がいるのか、再生回数はすでに67万回を超えている!)

 

宣誓

私たちは16年前、阪神淡路大震災の年に生まれました。
今、東日本大震災で多くの尊い命が奪われ、私たちの心は悲しみでいっぱいです。
被災地では、すべての方々が一丸となり、仲間とともに頑張っておられます。
人は、仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると信じています。
私たちに今できること。それはこの大会を精いっぱい元気を出して戦うことです。
がんばろう、日本!
生かされている命に感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。

 

この選手宣誓は全国各地で感動を呼び、創志学園高校には反響のメール・電話・FAXが殺到したそうだ。のちに野山選手は、「自分の気持ちを伝える素晴らしさ、言葉の重みを身を持って理解することができた。僕の人生の中で一番大きな出来事だし、宝だと思う」 と語っている。

「文は人なり」という言葉がある。文章を見れば書き手の人となりがわかるということだが、話し方や言葉遣いにも性格や人柄は出るものだ。実際に増田さんと野山選手は、声を聞くだけでマラソン愛や被災地を思う気持ちがヒシヒシと伝わってくる。生まれ持った声質そのものは変えられなくても、品のある話し方や心のこもった美しい日本語は今後の努力次第で身に付けることができる。がんばろう、自分!