人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【西口文也、小松大谷高校】忘れ得ぬ記憶

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今季限りでユニホームを脱いだ、元西武ライオンズの投手・西口文也さん。94年にドラフト3位で西武に入団し、97年には沢村賞、MVP、最多勝などタイトルを総なめ。西武一筋で通算182勝を挙げた。このような輝かしい記録とともに、西口さんが球史に名前を刻んだのが、三度にわたる「幻のノーヒットノーラン」である。

一度目は9回2死からヒットを打たれ、二度目は9回2死から本塁打。三度目は9回まで打者27人をパーフェクトに抑えながら延長戦に突入し、延長10回にヒットを許した。これまでに日本のプロ野球ノーヒットノーランを達成したのは延べ78人。その選手たちの名前は忘れても、西口さんの三度の未遂試合のことは未だに覚えている人も多いのではないだろうか。

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2014年高校野球石川県大会の決勝戦で、9回表までに8-0とリードしながらその裏に9点を取られ、甲子園出場を目前で逃した小松大谷高校。対戦相手が松井秀喜さんの母校・星稜高校だったこともあり、「奇跡の大逆転劇」とメディアで大きく報道された。

因縁の両校は今年、準々決勝で再戦することに。3点をリードされた小松大谷高校は、9回裏に4点をとって逆転勝ち。倍返しならぬ「サヨナラ返し」で一年越しのリベンジを果たした。まるでマンガのような展開としか思えないのだが、これが実際に起こるのが高校野球というものなのだろう。

「Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot(人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇)」

これはイギリスの喜劇王、チャールズ・チャップリンの名言である。人生には短期的に見ればマイナスでも、長期的に見ればプラスにつながっていくことがたくさんある。西口さんと小松大谷高校は、”ノーヒットノーラン達成&甲子園出場”という「記録」を残すことはできなかったが、逆にあと一歩のところで叶わなかったことで、野球ファンの「記憶」に残る存在になった。

西口さんは引退会見で、「ノーヒットノーランを達成したかったが、ファンの人の印象に残っているのであればそれはそれでいいかな」と言っていた。いつか小松大谷ナインも「甲子園には行けなかったが、あの悔しさがあったから◯◯できた」と、逆転負けをネタにできるような日がくるといいなと思う。