人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【香川真司、山郷のぞみ】まさかの落選を乗り越えて

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サッカー日本代表MF・香川真司選手。昨季、マンチェスター・ユナイテッドからドルトムントに復帰。ハリルジャパンでは背番号10番を背負うスター選手だ。

そんな香川選手のこれまでのキャリアの中で一番印象に残っているのは、2010年の南アフリカW杯に落選したときの記者会見である。「元々選ばれると思っていなかった」「だから何とも思わない」などという淡白なコメントではなく、「悔しい。自分には足りないものがあるということ」と感情をむき出しにして、カメラの前で大粒の涙を流していたのだ。その姿を見て(個人的に)すごく好感を持ったし、「この選手はこれから絶対に強くなる」という予感がしたことを覚えている。

結局、南アフリカ大会へはサポートメンバーとして参加。打診を断ることもできたが、「世界レベルを肌で感じることは、きっと次への糧になる」とチームに帯同することを選択。このときスタンドで試合を見ることしかできなかった悔しさをバネにして、現在の代表での地位を築いた。

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2014年シーズンをもって現役を引退した、元なでしこジャパンGK・山郷のぞみさん。日本代表として96試合に出場。長年なでしこの守護神としてゴールを守ってきた。

2004年のアテネ五輪で活躍した山郷さんは、2008年の北京五輪では出場メンバーの18人に入ることができず、4人いるバックアップメンバーの一人に選ばれた。最初は憤りにも似た感情を抱き、直前合宿へも行きたくないと思ったそうだが、「自分の仕事を果たすため」に参加。最終日には「北京には選ばれるべき18人が選ばれている。がんばってきて」と挨拶し、自分がそこに入れなかった悔しさには一切触れなかったという。(参考:『蹴る女 なでしこジャパンのリアル』河崎三行 著)

山郷さんはその後も現役を続行し、2011年のドイツ女子W杯に最年長選手として参加。出場機会こそなかったものの、正GKの海堀選手をメンタル面でサポートして優勝に貢献した。なでしこが成田空港に帰国した際、優勝トロフィーを持って出てきたのは、キャプテンの宮間選手や澤選手ではなく山郷さんだった。本人は拒否したそうだが、佐々木監督の意向で持つことになったらしい。献身的にチームを支える姿を、ずっと見ていたからだろう。

香川選手と山郷さんは、南アフリカW杯と北京五輪に出場することができなかった。サポートメンバー・バックアップメンバーとしての参加は本当に不本意だったと思うが、ともに最後まできちんと自分の役割を全うした。一度転んだとしても、すりむいた傷を見てまた立ち上がり、前を向いて努力する選手は、長い目で見ると必ず報われるようになっている。というよりそうなってほしいと心から思う