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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【鈴木大地、里谷多英】腹をくくって勝負する

水泳 スキー

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10月1日に発足した”スポーツ庁”の初代長官に就任した、鈴木大地さん。「泳ぎは後ろ向き(背泳ぎ)でしたけど、前向きに頑張る」というのを持ちネタにしているように、現役時代は背泳ぎの選手として活躍し、ソウル五輪では100mで日本競泳陣に16年ぶりの金メダルをもたらした。

予選を3位で通過した鈴木さんは、決勝ではバサロの距離をそれまでの 25m→30m に伸ばすという奇襲に出た。ぶっつけ本番なので、泳ぎのリズムが狂ったりスタミナが最後まで持たなかったらメダルを獲れない可能性もある。しかし「銅はいらない。狙うのは金だけ」と作戦を決行。いつもより長いバサロをすることで、隣のコースを泳いでいたライバルのバーコフ(アメリカ)を慌てさせ、0.13秒差で金メダルをもぎ取った。

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長野五輪女子モーグル金メダリストの里谷多英さん。雲一つない青空の下で大きなコザックを豪快に決めて、日本中を感動の渦に巻き込んだ。

里谷さんが出場した5度の五輪で、個人的に一番印象に残っているのは、金メダルをとった長野でも銅メダルをとったソルトレイクシティでもなく、途中で転倒して19位に終わったバンクーバーである。

予選を13位で通過した里谷さんは一発勝負の決勝で、もうそれはそれはものすごいスピードで急斜面をかっ飛ばして行ったのだ!モーグルの細かいターンの採点基準は、素人目にはよくわからない。しかし里谷さんのスピードは素人目に見ても、明らかにそれまでに滑った選手とは次元が違うものだった。「狙っているのは金メダルだけ」という気迫が画面からひしひしと伝わってきて、もし無事に滑りきっていたら、本当に金メダルがとれていたんじゃないかと今でも思う。

「僕は物事を中途半端な気持ちではやらない。なぜなら、もしそうしたら中途半端な結果しか期待できないとわかっているからね」

これはマイケル・ジョーダンの名言だが、鈴木さんと里谷さんはオリンピックの決勝という大舞台で、メダルや入賞狙いの”中途半端な気持ち”ではなく、あくまでも金メダルだけを目指して”腹をくくって”、イチかバチかの大勝負に挑んできた。このような「勝負師の心意気」を持っているというのは、世界でトップをとる人の共通点だと思う。