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人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【福士加代子】何度だって立ち上がる

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2013年、モスクワ世界陸上女子マラソンで銅メダルを獲得した福士加代子選手(ワコール)。3000mと5000mの日本記録を持ち、日本選手権は5000mで6度、10000mで7度優勝するなど、トラックでは圧倒的な強さを誇っていた福士選手も、マラソンではそれまで思うような結果を残せていなかった。

中でもマラソン初挑戦となった2008年の「大阪国際女子マラソン」は壮絶なレースとして今も記憶に残る。30km過ぎまではトップを快走していたのだが、その後スタミナ切れを起こして失速。35kmからはジョギングのようなスピードとなり、足がもつれて4度も転倒。最後は這うようにして何とかゴールに辿り着いた。これが生放送が終わる直前の出来事だった(ギリギリでゴールシーンが収まった)ので、「やっぱり福士さんは何か持っているなぁ」とテレビの前で思ったことを覚えている。

”トラックの女王”と呼ばれた第一人者の思わぬ結果に、周囲やファンもどう声をかけたらいいか分からなかったと思うが、福士選手はすぐにブログを更新した。

「どうもですぅー。小鹿になった福士加代子です。ご心配をおかけしてしまいましたが転倒した際の身体には何の異常もなく、今はの~んびりとジョギングしたりスキップしたりと楽しくやっています。先日、大阪国際女子マラソンのビデオを観ましたが、皆様の応援の願いが届いたというのか、その想いに導かれるように私はゴールまでたどり着けたんだなと感じました。しかも放送時間ギリギリに...」(※ワコール女子陸上部ブログより、一部抜粋)

「小鹿になった」とわざわざ自虐ネタにしたのは、”周囲に気遣いをさせないという気遣い”だろう。このあたりが人気選手たる所以だ。

その後に走った3度のマラソンは、いずれも終盤で失速。しかし少しずつタイムと順位を上げて、モスクワ世界陸上の日本代表に。そして臨んだ大舞台で、課題だった後半に粘って順位を一つ上げ、銅メダリストになった。諦めずに挑戦し続ける人間を、神様は決して見放さないのだ!

福士選手は10月11日に開催されたシカゴマラソンに出場、2時間24分25秒という好タイムで4位に入った。現状では、日本人はトラック競技よりもマラソンの方がメダルに近いと思われる。溢れんばかりの笑顔で競技場に入ってきたモスクワの再現を、リオでもぜひ見てみたい。