人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

優れた成績(結果)を残す選手には、必ず理由(原因)がある。アスリートがプレーで表現してくれたことを、わかりやすい文章に落とし込んで発信します。

【吉田沙保里】強くて逞しくて、人間的にも素晴らしい

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先日、ラスベガスで開催されたレスリング世界選手権で優勝し、五輪を含めて「世界大会16連覇」を達成した、吉田沙保里選手。その圧倒的な強さは、”ラグビーW杯で日本が南アフリカ(世界ランク3位)に勝ったことがどれだけ凄いのか”という例えで、「桐谷美玲レスリングで吉田沙保里に勝つくらい凄い」と言われるほどだ。

そんな強くて逞しい吉田選手が、人間的にも素晴らしいということに(個人的に)気がついたのは、2008年の北京五輪だった。2大会連続の金メダルを獲得した後に、「同じ三重県出身で、怪我で出られなくなった野口みずき選手の分まで頑張ろうと思いました」とコメントしていたのだ。

五輪の決勝を戦った直後というのは、頭にまだ十分血がのぼっている、いわゆる過熱状態だと思うのだが、そんなときでも同郷の選手への気遣いを忘れない。本当に冷静で、受け答えがしっかりしていて、「気持ちのいいインタビューだなぁ」と思ったことを、今でも覚えている。

国内の大会で吉田選手のコメントをとろうと、取材陣が場所取り合戦を繰り広げた際には、「押さないで!大きな声でしゃべるから大丈夫ですよ!」と殺気立った空気を和らげる。読者プレゼントの色紙を2枚(※1枚は間違ったときの予備)持参した新聞記者には、1枚目に一発勝負で読者用のサインを書き、2枚目は「いらなかったらごめんなさいね」と笑いながら、その新聞記者へサインを書く。これらのエピソードにも、吉田選手の性格の良さが滲み出ていると思う。

来年のリオデジャネイロ五輪は、女子では史上初の4連覇がかかる。”霊長類最強女子”はどんな戦いを見せてくれるのだろうか。もし自分が勝利の女神だったら、微笑むどころか大爆笑したいところだ。気持ちのいいインタビューを、ぜひもう一度聞いてみたい。