人生で大切なことはすべてアスリートから学んだ

一流になれなかった元アスリートのブログ。憧れの存在であるトップアスリートの「思考・行動パターン」を真似したくて日々奮闘中。

【野上恵子】32歳の遅咲きランナー、アジア大会で銀メダルを獲得!

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※ 写真は「Yahoo!ニュース」より

現在、ジャカルタで行われている「アジア大会」の女子マラソンで、野上恵子選手(十八銀行)が銀メダルを獲得!

陸上の名門・須磨学園出身だが、3年間で高校駅伝は一度も走れず。それでも自分の力を信じて実業団に進み、このたび32歳で人生初の日本代表に!と、ここに至るまでのバックグラウンドを知るだけで、もう応援したくてたまらない。

レースは優勝したチェリモ選手(バーレーン)がトップを独走。第2集団は野上選手、韓国、北朝鮮の3人。上位4人でメダルは3つ。韓国と北朝鮮の選手は一切前に出ず、コバンザメ走法に徹している。

「これは最後の最後で抜かされる(4位になる)パターンか・・・」と切ない場面を予想した陸上ファンもいただろうが、40キロ以降を全出場選手中、最速タイムで駆け抜ける見事な走りで、爽やかに裏切ってみせた。

このレースの解説者・高橋尚子さんの言葉で、個人的に最も印象に残ったのは、「野上さんは32歳だけど、マラソンを始めたのは29歳。だから肉体の消耗はまだ大学生くらいでフレッシュなんです」。中学・高校とずっとケガに泣かされ、走り込めなかったことで、早い時期から足を酷使せずに済んだ。人生は何が幸いするかわからない。

「自分にとってはつらかった経験が、時間が経ち環境が変わったことで大きな財産になっていたのだから人生はわからない」(『決めて断つ』/黒田博樹


40キロの給水ポイントで園田隼選手(黒崎播磨)から”力水”を受け取り、サングラスを外した野上選手は、残りの2.195キロを、力強いピッチ&充実感に満ちた清々しい表情で走り切った。

ゴール後もシドニー五輪高橋尚子さん並みに、全く息の乱れはなし。真冬の箱根駅伝では、大学生がみんなバタバタと倒れているのに、酷暑のフルマラソンを走り終えてケロッとしている。なんてタフな女性なんだろう!

バンクーバー五輪の女子フィギュアスケート浅田真央さんが銀メダルを獲ったとき、解説の太田由希奈さんが「銀盤の女王は銀メダル」と言っていた。それなら十八銀行に務めている野上選手は、「銀行員ランナーは銀メダル」。まあ金メダルのチェリモ選手は、ケニアからの帰化ランナーでアフリカ人のようなものだから、実質的には「アジアNo.1」と言ってもいいだろう。

ついさきほど、女子マラソンの表彰式が行われていたのだが、野上選手は重圧から解き放たれた様子で、笑顔笑顔笑顔だった。全力を尽くして頑張った人の顔は、本当に美しい。これから応援したいランナーが、また一人増えた。

 

野上恵子選手から学んだこと

人生は何が幸いするかわからない。つらい経験も、時間が経てば大きな財産になる。

 

【三木二郎】日本女子競泳界のエース・池江璃花子選手のコーチに就任

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※ 写真は「スポーツナビ」より

2018年8月18日に開幕した「ジャカルタアジア大会」で、日本女子競泳界のエース・池江璃花子選手が、(この記事を書いている時点で)4冠を達成!まだあと3種目に出場する予定で、さらなるメダル量産が期待されている。

今や押しも押されもせぬ「日本女子競泳界のエース」に成長した彼女だが、今年5月からコーチを変更。個人メドレーシドニーアテネの2大会連続で五輪に出場した三木二郎さんの下で練習を積んでいる。

三木さんはシドニーのときはまだ高校生で、ずいぶん可愛らしい顔つきだった記憶があるのだが、08年に引退し、その後16年から2年間、イギリスに指導者留学。このたび、池江選手サイドからのオファーを受け入れた。

「無名の選手を一から育てて結果を残す」というのは、指導者の醍醐味の一つだろう。石ころを磨いてダイヤモンドにする。星野仙一さん風にいうと、「◯◯はわしが育てた」。しかし、すでに実績のある選手の力を伸ばせなければ、「あの指導者のせいで潰された」と周囲に批判されることになる。

自分が「三木二郎氏が新コーチに就任」というニュースを聞いたとき、真っ先に思ったのは「よく引き受けたなぁ」ということだった。池江選手はまだ18歳だけど、すでに五輪出場経験があって、短長水路で合計21個の日本記録を持っている”日本の至宝”。東京五輪を2年後に控えるこのタイミングで、新しくコーチになる人の責任は計り知れない。

三木さんがすごいのは、多少のプレッシャーがあることは認めつつも、「こんなチャンスはない」と捉えていることだ。「私も選手時代はプレッシャーが好きだった。そのプレッシャーを跳ね返すやりがいもある」

何事も事実は一つで、捉え方は人の数だけある。「池江選手のコーチになる」という事実を、「プレッシャー」と思うか「チャンス」と思うか。三木さんは後者。プレッシャー云々よりも、「とにかく与えられたチャンスを生かしたい」。東京五輪パラリンピックの開閉会式を演出する”総合統括”を引き受けた野村萬斎さんも、きっと同じ考え方だろう。

今シーズンの池江選手は、8月上旬に行われた「パン・パシフィック選手権」の100メートルバタフライで、主要国際大会初の金メダルを獲得。そして、現在はアジア大会で「MVP級」の活躍中だ。コーチを変えて初めての大舞台で結果が出て、三木さんも安堵しているに違いない。

インタビューの受け答えも落ち着いていて、大人っぽくて、腕が長くて、スタイルも良くて、SNSの使い方も上手。これだけ揃っていて人気が出ないわけがない。2020年の夏、表彰台の一番高いところで”美人スイマー”の笑顔が見れると嬉しい!

三木二郎さんから学んだこと

事実は一つ、解釈は無限。

 

【吉田麻也】オールナイトニッポンのパーソナリティに初挑戦!

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※ 写真は「オールナイトニッポン」公式HPより

自分はオールナイトニッポンのヘビーリスナーで、木曜日の岡村隆史さんと、土曜日のオードリーは毎週欠かさず聞いている(radikoのタイムフリー機能にはどれだけ感謝してもしきれない)。

先週、8月9日は岡村さんが夏休みということでガッカリしていたのだけど、ピンチヒッターで登場したサッカー日本代表吉田麻也選手(サウサンプトンFC)のトークがすごく面白かったのだ!以前から文才があることは知っていたけど、まさかこんなにしゃべりも上手だったとは!

のっけから自分の名前を「吉田松陰の”吉田”、植物のアサの”麻”、亀梨和也さんの”也”です」と説明。他にも、「身長189センチ、試合前の国歌斉唱で一人だけ飛び抜けている選手が僕です。ちょっと顔長いなーっていうのが僕です」など、笑いとシリアスの塩梅が絶妙!この時点で、楽しい2時間になるような予感がしたし、実際そのとおりになった。

番組中には、ハリルホジッチさんの解任について、W杯ポーランド戦でのボール回しについてなど、リスナーからの際どい質問も。でもはぐらかすことなく、自分の気持ちを正直に話していて、とても好感が持てた。解説者の人たちのどんな言葉よりも、実際にあそこで戦っていた当事者のコメントは重みがあるし、きっと真実なんだろう。

そして、個人的に最も印象に残ったのは、「ネイマール選手の痛がり方についてどう思うか?」と聞かれたときの回答である。

「Too much。なんであんなに回転するのかなって。倒されても、普通は多くてもコロコロコロで3回でしょ。それを5、6回やるからね。僕らとしてもちょっと笑っちゃう」

世の中の物事で、自分にあまり馴染みのない世界の「相場を知る」ことは大事だと思う。例えば、都会に住んでいると地方の家賃の相場はわからないし、大人になった今となっては子供の習い事の月謝の相場もよくわからない。「○○○円になります」と言われても、それが高いか安いかどうかの判断ができない。

自分はサッカーにあまり詳しくないので、たしかにW杯のネイマール選手を見ていて「よく回転するなぁ」とは思っていたけれど、それが「回りすぎ」なのか「許容範囲」なのかがわからなかった。でもこの日、吉田選手から「倒れるのはコロコロコロで3回までが普通」とサッカー界の“相場”を教わったので、自分の中で確固たる判断軸ができた。ということで結論 → ネイマールは回りすぎ!!!

吉田麻也選手から学んだこと

相場を知ることが大事。サッカーで倒れて回転するのは3回までが普通。

 

【ガブリエラ・アンデルセン】ロス五輪で「ふらふらゴール」をしたあの女性ランナーは今

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※写真は「Running in Cork, Ireland」より

「命に関わる危険な暑さ」

先日、NHKのニュースがこのように表現していた。今年の夏の暑さは「猛暑」や「酷暑」を通り越して、”身の危険”を感じるレベルである。自分は市民ランナーなのだけど、早朝や日没後に走っていても滝のように汗が出てきて止まらない。

熱中症や脱水症状にならないように、気をつけないといけないな・・・と思っていたら、ふとロサンゼルス五輪の女子マラソンで、フラフラになりながらゴールしたガブリエラ・アンデルセンさん(スイス)のことが頭に浮かんできた。

1984年8月5日に行われたレースは、午前8時すぎにスタート。終盤には気温が30度近くまで上昇していたらしい。よろめきながらスタジアムに入ってきたアンデルセンさんは、ラストのトラック1周を5分44秒かけてゴールへ。満員の観衆がスタンディングオベーションで頑張りを称えている映像を見ると、今でも目頭が熱くなる。

脱水症状で生命の危険があるランナーを制止しなかったことは大きな波紋を呼んだが、当の本人は2時間ほど治療を受けて回復。10時間後にはテレビに出演するなど、メダリスト以上の注目を浴びることになった。

この感動的な「ふらふらゴール」から34年。アメリカ・アイダホ州のスキーリゾート、サンバレーでご主人と2人で暮らしている彼女は、今年73歳になった。ロス五輪のレースを振り返って、次のように語っている。 

■「39歳の私に次の五輪はないと分かっていた」
「他のマラソンなら棄権していた。でも歴史的な意義があるレースだから、どうしても完走したかった」
■(最後の給水所でボトルを取り逃し)「あのミスがなかったら、あんなことには多分ならなかった」
■(ラストのトラック一周は)「止まったら駄目、その思いだけだった」 


これに対して、金メダルを獲得したジョーン・ベノイトさん(アメリカ)は、「ゴールしたい気持ちはわかる。でも健康と人生を危険にさらした。人生より大切なことがあるのかしら」とコメントしている。

「他でもないオリンピックだから絶対にゴールしたかった」というアンデルセンさん。「健康や人生より大切なものはないでしょう」というベノイトさん。どちらの気持ちもよくわかるなぁと思う。

トップアスリートに課せられたミッションは、4年に一度の大舞台で活躍すること。途中棄権(Do Not Finish)よりは、下位であっても順位がつく方がいい。実際、このレースに日本代表として出場していた増田明美さんは途中棄権だったため、帰国後に「非国民!」とバッシングを受けることになった。

でも、自分のような市民ランナーや一般ピーポーは、”ベノイト派”でいいのではないだろうか。自分の命よりも大事な大会なんてないし、命と天秤にかけたら「電気代の高さ」なんて取るに足りないことだ。死んだら何の意味もない。人はまず生きないと!

「命に関わる危険な暑さ」は、精神論や根性論では我慢できない。だから7月と8月はランニングは控えめにしよう。高温多湿の中で行われる東京五輪を目指しているわけじゃないんだからー。今日も朝からクーラーがガンガンに効いた部屋で、タオルケットにくるまる幸せを堪能している自分である。

 

ガブリエラ・アンデルセンさんから学んだこと

人生の優先順位=「自分の命>エアコンの電気代」

【木村昇吾】元広島・西武で活躍したプロ野球選手が、クリケットに転向!

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※ 写真は「cocokara-next.com」より

7月7日(土)にオンエアされたTBS『バース・デイ』で、元プロ野球選手の木村昇吾さんの近況が特集されていた。昨オフに西武を戦力外となり、どうしているのかと思ったら、なんとクリケット選手に転身していたのだ!

個人的に、「クリケット」という競技名は聞いたことがあったが、ルールはよくわかっていなかった。試合の映像も、恥ずかしながら『バース・デイ』で初めて見たのだけど、「ピッチャーが投げてバッターが打つ」という点は野球と同じ。もちろん、細かいルールは”似て非なるもの”だが、木村選手がこれまでのプロ野球人生で培ってきた能力や、得意なことを活かせるセカンドキャリアであることは間違いない。
 

自分がこれまで築いてきた「土台」を活用して
仕事をするということです。
「働き方を変える」とは、これまでとはまったく別の能力を
身につけて別の仕事に就くということではありません。
(『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』/木暮太一)


木村選手のこれまでのキャリアを振り返ると、広島カープがリーグ優勝を果たす前年にFA宣言。移籍した西武では、右膝前十字靱帯断裂の大怪我を負って育成選手に降格するなど、どこか歯車が噛み合わないアンラッキーな印象があった。

あのままカープに残っていれば優勝も経験できたし、今頃は指導者としてチームに残れたんじゃないか・・・などと、まあ外から見ている人は好き放題いろんなことを言えるのである。

どうしたらいいか一生懸命考えて決めたなら、
それはそれで正しいんだと思う。
外から見てる人はいろんなことを言えるけど、
考えて決めた人が一番偉いんだから。
(『終末のフール』/伊坂幸太郎


6月30日(土)に放送されたNHK総合『SONGSスペシャル』で、宇多田ヒカルさんが「今を今だけで評価できない」という話をしていた。「すごく悲しそうな出来事があったとしても、その出来事のおかげで5年後10年後、今よりもっと幸せになっているかもしれない」

自身の幼少時の特殊な家庭環境(=両親が離婚と結婚を6回も繰り返す)や、母親を突然亡くした喪失感を歌詞に昇華させて、結果的に多くの名曲を生み出してきた宇多田さんの言葉だから、とても説得力がある。

木村選手も本音を言えば、プロ野球選手としてもっと長くプレーしたかったはず。でもそれが叶わなくなった今を、今だけでは評価できない。クリケットの世界最高峰のインドリーグには、年俸20億円超を稼ぐスター選手もいる。これからの頑張り次第では、NPB時代の何倍もの報酬を手にしたり、今よりもっと笑って幸せになれる可能性だってあるのだ。

生きているかぎり、人生のストーリーは何度でも「上書き保存」ができる。
プロ野球からクリケットへの転向は史上初。この競技の普及のために、広告塔になる覚悟も持っているそうだ。1980年生まれ、現在38歳の松坂世代。「塗り絵」をするのではなく、白紙のキャンバスに自らデッサンをする男のチャレンジ、みんなで応援しようじゃないか!
 

木村昇吾選手から学んだこと。

今を今だけで評価できない。人生は何度でも「上書き保存」ができる。

【新谷仁美】元陸上女子長距離界のエース、4年ぶりに現役復帰!

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※ 写真は「朝日新聞デジタル」より

13年モスクワ世界陸上女子1万メートルで5位となり、14年1月に25歳で引退した新谷仁美選手(ナイキTOKYO TC)が現役復帰!陸上ファンにとっては、胸が熱くなるニュースである。

5年ぶりのレースとなった6月9日の「日体大長距離競技会」に出場し、9分20秒74で2位となった。本人的には「1キロ3分5秒ペースが最低ライン」と不満の残る内容だったようだが、ブランクがあってもこのタイム。「腐っても鯛」というか、さすがは元トップアスリートだ。

このレース後のインタビューがネットに上がっていたのだけど、「外に出て行った嫁が出戻ってきた」「走るのは全然楽しくもないし、しんどい。何が楽しいのかわからない」「戻ることは迷わなかった。バカなんで」「(ゼッケンが年齢と同じ30番)嫌みかと思いましたよ。新谷も30なんだって。だいぶ不満ですね」など、あけすけな”新谷節”は今も健在!こうしてまたコメントが聞けるようになったことが、ただただ嬉しい。

インタビューでは、普通のOLとして働いていたこの4年間のことを聞かれて、次のように話していた。

「外の世界の方が厳しいってことが身を持ってわかった」
「自分のできなさ加減に直面した」
「人間関係に関しても、昔から性格に難があったんですけど、今も相変わらず難しい性格をしている。それにより一層磨きがかかったのかなって」
「人と関わるのもほどほどにしろと。深い関係にならず、かといって浅い関係で続くようなかんじでもなく。距離感のようなものを勉強させてもらった」
「(誰かの一言が復帰のきっかけになった?)ないです。友達も少ないので」


新谷選手はどんなレースでも駆け引きゼロで、常に先頭引っ張るその”走りっぷり”が魅力的なのは言うまでもないけど、こんなふうに人付き合いがうまくできない、不器用なところも、自分はとても好ましいと思う。陸上でも外の世界でも何でも卒なくこなして、友達付き合いも充実している人よりも、”人間味”があっていい。

SEKAI NO OWARISaoriこと、藤崎彩織さんのデビュー作『ふたご』の中に、「みんなから嫌われてるやつのこと、俺、嫌いじゃないよ」「俺は寂しそうなやつって、魅力的だと思うよ」というセリフがあったけど、新谷選手に対しても同じことを思う。

 

魅力的な欠点がひとつあれば、どうしようもなく愛される。
人が人を好きになる時は、長所よりも欠点に惹かれることが多いもの。
(答えはすべて本に書いてある/川上徹也)

 

新谷選手のツイッターの自己紹介には「普通のOLです」と書いてあるのだが、今は円満退社し、また走ることが仕事になったそうだ。「走るのは今でも大嫌いです。でも悔しいけど、ここが自分の居場所だと思う」

40キロまで体重を絞って臨んだモスクワ世界陸上の”魂の走り”を見て、涙を流した陸上ファンも多かっただろう。あの小気味よいピッチ走法を、東京五輪のトラック競技で見られると嬉しい。

 

新谷仁美選手から学んだこと

人が人を好きになる時は、長所よりも欠点に惹かれることが多いもの。

 

【大谷龍太】祝・大谷翔平選手のお兄さん、人生初の全国大会出場決定!

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※ 写真は「毎日新聞」より

大谷兄が歓喜の涙、弟と違い「全国とは無縁だった」(6/6 日刊スポーツ)

都市対抗野球2次予選東北大会:トヨタ自動車東日本4-2日本製紙石巻>◇6日◇第1代表決定戦◇岩手県営野球場
 エンゼルス大谷翔平(23)の兄、トヨタ自動車東日本(岩手・金ケ崎町)の大谷龍太コーチ兼任外野手(30)が、初の東京ドーム出場を決めた。「僕は今まで全国とは無縁だった。7年間の思いが出てきて…」と試合終了後は、歓喜の涙を流した。
 大谷は1番左翼で先発出場し4打数無安打に終わったが、3回には送りバントを決め、2点目につなげた。昨年の代表チームを接戦で振り切り、予選から無傷の第1代表として、創部7年目で初の都市対抗出場を決めた。
 大谷龍太は前沢高(岩手)を卒業後、独立リーグの四国IL・高知などでもプレー。187センチの大型外野手で、トヨタ自動車東日本では創部時からコーチ兼任の「二刀流」で携わる。家族は夫人と1男。


「世界の二刀流」こと、大谷翔平選手(エンゼルス)の7歳上の兄・龍太選手が所属するトヨタ自動車東日本が、このたび初の都市対抗野球出場を決めた。龍太選手は7年前の創部当初からコーチ兼任でチームを支え、選手としては1番レフトでリードオフマンの役割を果たしている。

小学校5年生から野球を始めて、現在30歳。これが人生初の全国の舞台だそうだ。「僕は全国大会にほど遠い人生だったので、やっと出られる」。弟があまりにも凄すぎるだけに、比べられて嫌な思いをすることもあっただろうに、この歳まで好きな野球を続けて、ようやく辿り着いた東京ドーム。これまでの生き様に「いいね!」を押さずにはいられない。

最初から何の苦労もなく、
いきなりヒーローになった人とはわけがちがう。
一人前の人間になるために時間はかかるが、
そこには修行があり、過去の自分に対しての
反省や否定があって、自己否定の果てに悟りに至る。
つまり自己形成をしっかりこなした人間の姿、道筋が見える。
(『人の心をギュッとつかむ好感度UPの法則』/齋藤孝

 

まさに、齋藤孝さんがおっしゃっていることを、そのまま体現しているかのような人生である。「投手と野手」の二刀流もすごいことだが、「仕事と野球」「コーチと選手」の二刀流だって、本当に限られた人にしかできないことなのだ!

以前、スピードスケートの高木菜那・美帆姉妹の父・愛徳さんが、「同じ競技をしていると、どうしても上手な子の方をひいきしがちになりますが、姉妹で同じ夢・目標に向かって進んでいる限り、親として分け隔てることなく応援していきたい」と語っていたけれど、きっと大谷兄弟の父・徹さんも同じような考えの持ち主なのだと思う。

この日、龍太選手が出場したのは「都市対抗野球東北大会第1代表決定戦」。弟が活躍するメジャーリーグとはレベルも華やかさも全然違うけど、徹さんはバックネット裏に駆けつけて、長男に声援を送っていた。「どうしても比べられるつらさがある。嫌かもしれないけど、プラスに変えてやりなさいと伝えている」

兄弟がそれぞれの舞台で、それぞれの目標に向かって進んでいるかぎり、親としては分け隔てなく応援したいという思いが伝わってくる。

大谷翔平選手の兄」でなかったら、スポーツ新聞の記事になるようなことはなかっただろう。でも、日本全国には自分よりも才能を持った弟や妹と比べられて、辛い思いをしている人もたくさんいるし、そんな”長男長女”にとっては励みになるはず。自分の身の丈で、自分のレベルに合った夢に向かって精一杯頑張ることがいかに素晴らしく、尊いか。龍太選手の30年間の生き様が、そのことを教えてくれている!

 

大谷龍太選手から学んだこと

夢が叶うまでに時間がかかる人=自己形成をしっかりこなした人間。