【川内優輝、小平智】アメリカで結果を出した日本人アスリート

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※ 写真は「Yahoo! ニュース」より

「アメリカで活躍しているのは、大谷翔平選手だけじゃない!」

今日は朝から嬉しいニュースが飛び込んできた。大雨&強風という悪天候の中で行われた『ボストンマラソン』で、川内優輝選手(埼玉県庁)が優勝!ケニアエチオピアなどアフリカ勢を抑えて、ワールドマラソンメジャーズ(WMM)シリーズ日本人初制覇を成し遂げた。

「前だけを向いて走った」というコメント、ゴール後に珍しく見せたガッツポーズ、表彰式で目を潤ませる姿。もらい泣きせずにはいられない。日本人の優勝は、瀬古利彦さん以来31年ぶりの快挙なのに、時差の関係でスポーツ紙の一面にならなかったのが残念だ。

市民ランナーの自分は、以前、川内選手と同じレースを走ってサインをもらったことがある。色紙には力強い「現状打破」という文字が。こちらから「何か言葉を書いてください」と頼んだわけではなく、勝手に書いてくれたので、きっとこれが座右の銘なのだろう。限界を決めずにチャレンジするランナーに、運が味方してくれたことがただただ嬉しい。

ちなみに、肝心のサインは「川内優輝」という漢字のフルネーム。崩さず一画一画丁寧に、「とめ・はね・はらい」もしっかりと書かれていた。実直な人柄が字にも表れている!

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※ 写真は「スポーツナビ」より

そしてもう一人。男子ゴルフの小平智選手(Admiral)が、米ツアー『RBCヘリテージ』で日本人5人目となる初優勝を成し遂げた。最終日は上位陣が軒並みスコアを落とし、12位スタートからの大逆転。出場15試合目での快挙は、日本人最速記録ということだ。

体格に恵まれないアスリートが、大きな相手に臆することなく立ち向かって、「小よく大を制す」というのはスポーツの醍醐味の一つである。身長172センチの日本人が、平均で10センチ以上も大きい米ツアーの選手たちをやっつけて勝つ。胸をすくような気持ちのいいストーリーである。

奥さんが元賞金女王の古閑美保さんということで、いつも記者の人から「古閑さんからゴルフのアドバイスは?」と聞かれるたびに、小平選手は「ないっす。自分の方がうまいですから」と怒っていたそうだ。米ツアー優勝は、承認欲求が満たされるのに十分すぎる結果。もう「古閑美保さんの旦那」と呼ぶのは失礼だろう。

大会後、川内選手は「昨年大迫君がいい結果を出したことで、自分も負けられないという気持ちになった部分はあります」、小平選手は「少しは(松山)英樹に近づけたのかな」と言っていた。

大迫傑選手、松山英樹選手という”年下の第一人者”への対抗心を、うまく自分を駆り立てる方向に持って行けば、前評判を覆すような素晴らしい結果が出る。スポーツに限らず、自分も見習いたいなと思った。川内選手、小平選手、そして大谷選手は、これからも全米を驚愕させるような、「アメイジング」で「アンビリーバブル」な結果を残してほしい。

 

川内優輝選手&小平智選手から学んだこと

勝負は強い人が勝つ のではなく、勝った人が強い。

 

【エフゲニア・メドベージェワ】銀盤の女王がUSJでハーマイオニーに変身!

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※ 写真は、メドベージェワ選手のInstagramより

昨日、TBSで放送された『スターズ・オン・アイス』で、エフゲニア・メドベージェワ選手・坂本花織選手・樋口新葉選手の”同世代3人娘”がUSJを訪れる企画があった。こういうアスリートの貴重なオフショットを垣間見れる番組が、自分は大好きなのだ。

メドベージェワ選手が自身のInstagramに、『ハリー・ポッター』の衣装を身に纏ってハーマイオニーと化した写真を載せていたので、大阪公演の合間にUSJに行ったことは知っていたけど、カメラがついて行ってたとは。なんてナイスなTBS!

エキシビションセーラームーンのコスプレ姿も、さながら”実写版”のようなかんじだったが、こちらも映画の中から出てきたような美しさである。以下、個人的に印象に残った会話をいくつか抜粋。

ー休日の過ごし方は?
「ベッドでゴロゴロしながらドラマを見てるわ。疲れてて遊ぶ元気がないの」

ーもし魔法が使えたら?
「試合でミスしない魔法が欲しいわ」
(樋口選手から「全然ミスしないじゃん」との声)「たまにするわ」

ハリー・ポッターのアトラクションの感想
「世界最高!映画を見てからずっとホグワーツ城に行ってみたいと思ってたの。新葉がずっと手を強く握るから痛かったわ」

セーラームーンを好きになったきっかけ
「母がアニメーターの仕事で見てて、一緒に見てたらハマっちゃった」

ー大好きなタキシード仮面と対面して
「嬉しくて立ってるのがやっとだったわ」

ー来シーズンの抱負
「より複雑な動きをマスターしたいわ。トリプルアクセルはもちろん、4回転にも挑戦するつもりです」


今シーズンのメドベージェワ選手は、不倫の話である『アンナ・カレーニナ』をモチーフにしたプログラムを、弱冠18歳で完璧に演じていた。リンクの上ではいつも大人っぽくて妖艶なイメージなのに、素顔は年相応でとってもかわいい。休日は「ベッドでゴロゴロしながらドラマを見てる」というのも、庶民的でなんかホッとする。

自分は今日、休みだったのだが、一歩も外に出ず、一日中家でゴロゴロして過ごしてしまった。普段なら自己嫌悪に陥るところだけど、「スーパースターと同じ休日の過ごし方をしたのだ」と思うと、なんだか自信が湧いてきた。親日家で、人柄も気さく、知れば知るほど好きになるスケーター。来シーズンは「魔法がかかったような完璧な演技」を見せてほしい!


エフゲニア・メドベージェワ選手から学んだこと

雲の上の存在の人と共通点を見つけると嬉しい。

 

【池江璃花子】日本選手権で4冠&6つの日本新、17歳の鉄人スイマー

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※ 写真は「日刊スポーツ」より

池江璃花子、出場全種目で6回日本新!4冠「さらに上を見ることもできる」(4/8 デイリースポーツより)

◇「競泳・日本選手権」(8日、東京辰巳国際水泳場
 今夏のアジア大会ジャカルタ)などの代表選考会を兼ねて行われ、池江璃花子(17)=ルネサンス亀戸=が女子バタフライ50メートルでも日本新を100分の1秒更新する25秒43で優勝した。この日だけで女子100メートル自由形と合わせて日本新2つの2種目制覇。今大会通算では日本新は6回目で、出場4種目ですべて優勝する4冠を達成した。
 スタートからリードを奪い、後続に差をつけたままゴールした。インタビューに「去年すごい悔しい思いをしていたので、悔しさを晴らすこともできましたし、さらにこれから上を見ることもできるんじゃないかと思います」と声を弾ませた。


「競泳・日本選手権」で、池江璃花子選手が4冠&6つの日本新記録を樹立!大会前に語っていた「全種目で日本新を出す」を見事に有言実行した形となった。すでに国内では敵なしの”無双状態”だが、17歳なのでまだまだ伸びしろ十分なのが恐ろしい。

海の向こうのメジャーリーグでは、大谷翔平選手が「2勝&3本塁打」と異次元の活躍を見せているが、今大会の池江選手といい、実際はものすごいことをやっているのに、あまりにもあっさりと結果を出すものだから、見る側の感覚が麻痺してしまう!

タイムトライアル系のスポーツで自己ベストを出すというのは、競技レベルが上がれば上がるほど難しくなる。自分の中で「出すべくして出したタイム」は実力だけど、たまに「なんだかよくわからないうちに出てしまったタイム」というのもある。これを「出して当然」だと思われて、”本当の実力”と”周囲の期待”のギャップに苦しむ・・・というのもよくある話だ。

でも池江選手は、「出すべくして出したタイム」を当たり前のようにポンポン更新してくる。だから「日本記録ってこんなに簡単に出せるものなんだ」と錯覚しそうになるし、「マラソンだったらいったい何億もらえていたんだろう」などと意味のない想像をしてしまうのである。(※マラソン日本記録を更新すると1億円がもらえる)

しかも、これだけの快挙を成し遂げておきながら、全レース終了後には「さらにこれから上を見ることもできるんじゃないかと思います」。さきほどの大谷選手は、ホームランを打った試合後に「いくつかチャンスの打席をものにできなかった。次に向けて頑張りたい」。4月7日の日本ハム戦で”ノーバン始球式”を行った高木美帆選手は、「キャッチャーが立たなくても捕れるところに投げたかった。次はもっと速い球にチャレンジしたい」。

いつだって上を見ればキリがなく、
下を見ている暇はなく、足りないピースを探し続けて、
そのピースを埋める旅。それが人生。
その足りないものを無視して生きるのではなく、
なんで足りないんだろう、
どうやったら満ち足りるんだろうと考えて、
埋めていくのが成長であり、一つ上のレベルの自分になるための方法。
(半径5メートルの野望/はあちゅう) 


今をときめくトップアスリートたちは皆、「現状に満足する」ということを知らないようだ。一時の成功体験に浸ることなく、常に自分に足りないピースを探して、それをどうにかして埋めようとする。こうしてメキメキと成長していく姿を、リアルタイムで追いかけられるのは本当に幸せなことだ。

15年の「世界ジュニア選手権」で、池江選手は50m&100mバタフライの2冠を達成したが、このとき両種目とも2位だったペニー・オレクシアク選手(カナダ)が、1年後のリオ五輪で金1、銀1、銅2と合計4個のメダルを獲得した。8月の「パンパシフィック選手権」では直接対決が見込まれている。本命は100mバタフライ。宿命のライバルに勝って、表彰台のテッペンに立つ姿が見られると嬉しい!

池江璃花子選手から学んだこと

トップアスリートは常に自分に足りないピースを探して、それをどうにかして埋めようとする。 

 

【京田陽太】甲子園のヒーローからの、忘れられないグータッチ

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※ 写真は「Number Web」より

中日京田「松坂さんの大事な日ぶち壊してしまった」(4/5 日刊スポーツより)

<中日2-3巨人>◇5日◇ナゴヤドーム
 試合後の中日京田陽太内野手(23)は懸命に前を向いていた。松坂の復活登板をサポートできなかった。
 1-1の3回の守備。先頭の吉川尚の中前への飛球を深追いし、大島とお見合いするような形で二塁打にした。その後、好守で併殺も奪ったが、2死三塁から遊ゴロを一塁に悪送球し、この回2点目を与えた。打っても5打数無安打と貢献できなかった。「特別な雰囲気は感じていなかったが、松坂さんの久しぶりの(登板の)大事な日をぶち壊してしまった。松坂さんは試合中にグータッチしてくれて『気にするな、打って返してくれ』と言ってもらったのに、それにも応えることができず残念です」と肩を落とした。 


松坂大輔選手が日本では2006年9月26日のロッテ戦以来、4209日ぶりに先発することで注目を集めた一戦。自らのタイムリーエラーで決勝点を与えてしまった京田陽太選手は、試合後に「松坂さんが久しぶりに投げる大事な日をぶち壊してしまった」と肩を落としていたそうだ。

自分の目の前には、かつて横浜高校のエースとして春夏連覇を成し遂げた甲子園のヒーロー。「なんとか勝たせてあげたい」という思いが強すぎて空回りしてしまった。落ち込む気持ちは痛いほどよくわかる。

そして、このエラー直後の松坂選手から京田選手へのグータッチは実にいい光景だった。人間は、予定通りにいかないときの対応に本性が現れるもの。かつての阪神・下柳さんのようにグローブを叩きつけてもおかしくない場面で「気にするな」。なかなかできることではない。

松坂選手はエースナンバーを背負っていた高校2年生の夏、神奈川県大会準決勝・横浜商業戦で、自らの暴投でサヨナラ負けを喫している。「3年生を甲子園に連れて行ってあげたい」という思いが強すぎて空回り。過去に辛い経験をした人は、今、辛い経験をしている人の気持ちがすごくよくわかるのだ。

昨年、新人王を獲得した京田選手は、数年後には「ミスタードラゴンズ」と呼ばれるに値する選手になると思う。年俸も35億・・・にはいかないかもしれないが、3.5億に到達する可能性は十分にある。

大阪桐蔭高校の中川卓也主将は、昨夏の甲子園でベースを踏み外す痛恨のミスをしたが、3年生から「お前のせいじゃない」と励まされ、奮起してセンバツ優勝を果たした。まだ始まったばかりの2018年シーズン、京田選手のここからの巻き返しに期待したい。

 

京田陽太選手から学んだこと

過去に辛い経験をした人は、今、辛い経験をしている人の気持ちがわかる。

 

【平野美宇、本田真凜】若手の有望株が、五輪に向けて本気の決断

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※ 写真は「スポーツブル」より

美宇、1年前倒しプロ転向 東京見据え決断「強くならないと」(3/31 スポーツニッポンより)

 卓球女子の平野美宇(17)が30日、都内で会見し、4月からプロ選手として活動することを表明した。在籍していたエリートアカデミーは来春修了予定だったが、20年東京五輪を見据えて1年前倒し。「人間としても選手としても強くならないといけない」と気合を入れた。
 アカデミーでは午後11時就寝など決まり事も多かったが、4月からは練習に割く時間を自分でコントロールできる。味の素ナショナルトレセンの寮を退寮して父・光正さん(49)と新生活を始めるが今後も練習拠点は同トレセン。所属は日本生命となり陸上男子100メートル日本記録保持者、桐生祥秀と同じだ。「私も新記録をつくれるように頑張りたい」。日本初の五輪金メダルを狙い、新たな挑戦が始まった。  


4月に入り、いよいよ新年度がスタート!アスリートたちも入学式や入社式に参加して、新たな門出を迎えている。

そんな中、卓球の平野美宇選手がJOCエリートアカデミーを卒業して、プロ卓球選手として活動していくことを決断した。エリートアカデミーは、競技生活を送る上ではとても恵まれた環境に思えるけど、独自の学習プログラムがあったり、就寝時間が決まっていたりして、練習時間に制約があったらしい。

人に決められた時間で動くのって、結構ストレスだと思うのである。例えば、会社でも「◯時から会議」と決まっていると、それに合わせて一日の予定を組まないといけないし、ヤマト運輸から「19~21時」に荷物が届くと決まっていると、絶対にそれまでに家に帰らないといけない。

エリートアカデミーに在籍していては、自分のやりたい練習をやりたい時間にできない。だから今後は自分に裁量権がある環境に身を置きたい。東京五輪を2年後に控えたトップアスリートなら、こう考えるのは至極当然のことだと思う。「チャレンジしてみようと思った。全部自分の責任になるので、その方が自分を追い込める」。  

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※ 写真は「朝日新聞デジタル」より

真凜進化へ!決意の米国行き「新しくスタートできたら」(4/1 デイリースポーツより)

 フィギュアスケートで16年世界ジュニア女王の本田真凜(16)が3月31日、大阪府門真市内で行われたアイスショー「スターズ・オン・アイス」に出演。4月から米国に練習拠点を移すことを明かし、「環境を変えて新しくスタートできたら」とラファエル・アルトゥニアン・コーチに師事することを説明した。
 3月に短期で練習参加しており「練習は厳しい」と本田。同コーチはかつて浅田真央さんを指導し、現在は世界選手権男子を初制覇したネーサン・チェン(米国)を指導する。「すごい選手と練習できるので、吸収するものがたくさんある。女子の進化についていけるように頑張りたい」。平昌五輪を逃して涙を流した本田が、次への新たな一歩を踏み出した。


そしてもう一人、自ら環境を変える決断をしたアスリートが。フィギュアスケート本田真凜選手。子供の頃から浜田美栄コーチに師事してきたが、4月からアメリカに練習拠点を移す決断をした。

人気子役・本田望結ちゃんの姉で、オスカープロモーションに所属していることから複数のスポンサーがつき、日本にいれば芸能活動にも時間を割かなければならない。高校も通っていた関大高から青森山田へ転校したようなので、北京五輪まではフィギュア一筋でやるということだろう。16歳で親元を離れて海外へ。ただただ応援したいという気持ち以外、思い浮かばない。

選ぶ、ということは、同時に何かを捨てることです。
何かを得ようと思ったら、他の何かを犠牲にしないといけない。
人生の質を高めるのは、選択と集中です。
(『人生の勝算』/前田裕二)


人生の中で、トップアスリートでいられる時間はそんなに長くない。引退すれば、そのあとはいくらでも遊べるのだ。腰を据えて勉強もできる。だからあと何年間かだけ、競技一本でいく。人生の質を高めるのは、選択と集中二人とも極めて正しい決断をしたように思える。

東京五輪に出場できる女子卓球選手は3人(シングルス2人、ダブルス要員1人)。エースの石川佳純選手に加えて、ダブルスの”みまひな”こと伊藤美誠選手と早田ひな選手もいる。平野選手はこのままいけば”有力”ではあるけれど、”確定”とは言い難い状況だ。4番手で落選したリオ五輪にはリザーブとして帯同し、団体銅メダルの瞬間を目の当たりにした。絶対に同じ轍は踏みたくないと思っているだろう。

若くして五輪に出て、メダルを獲るのももちろん素晴らしいことだけど、若くして五輪に出られない挫折を味わって、そこから這い上がって強くなっていく選手の方が、個人的にはシンパシーを感じる。平野選手の勝負の2年間、本田選手のこれからの4年間、しっかり追い続けていきたいと思う。

 

平野美宇選手&本田真凜選手から学んだこと

人生の質を高めるのは「選択と集中」である。 

 

【小平奈緒】みんな大好き!アンチのいない稀有な金メダリスト

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※ 写真は「時事ドットコム」より

小平奈緒、大暴投始球式…ボールが孫オーナー足元に転がる“ミラクル”(3/30 スポーツ報知)

ソフトバンクオリックス(30日、福岡ヤフオクドーム
 平昌冬季五輪で日本選手団主将を務め、スピードスケート女子500メートルで金メダル、同1000メートルで銀メダルを獲得した小平奈緒(31)=相沢病院=が始球式を行った。
 球場を訪れプロ野球を生で観戦するのも初めて。「キラキラした舞台でやれるのはうらやましい」と印象を明かした小平。「東浜巨(なお)選手と同じナオつながりで一緒に練習させてもらった」と準備万端でマウンドへ。スケートのスタートポーズを決めた後、セットポジションで投じたが、一塁方向へ大きくそれ左打席のオリックス・宗の背中を通り過ぎる“大暴投”。しかし、ボールは偶然にも様子を見守っていた孫オーナーの足元へ転がりキャッチするミラクルも起こった。


「弱点も死角もない人よりも、強さと弱さを両方見せられる人間らしい人にこそ、人はひきつけられる」(『人生で大切なことはいつも超一流の人たちから学んだ』/中島薫)

まさにこの言葉を体現した形となった、小平奈緒選手の始球式。オリンピックの金メダリストなら他のスポーツをやっても何でも上手くできそうなのに、「緊張して、力んで、大暴投」というのがなんとも人間味があっていい。

小平選手はこの始球式に備えて、数日前から自主的に”キャンプイン”。実際のマウンドよりも長めの距離から投げる練習を積み重ね、当日はブルペンで70球を投げ込んで本番に臨んだとのこと。本当に真面目で、何事にも一生懸命に取り組む人なのだ。

3万8530人の大観衆が見守る中、投じた一球は一塁ベンチ前で見学していた孫オーナーの元へ。世界の孫さんに球拾いをさせるなんて、なかなかできることではない。本人的には不本意な出来だったかもしれないけど、やっぱり持ってるというか、見事なオチがついて、見ている人みんなが笑顔になれた始球式だったように思う。

このように、目立つ立場になって露出が多くなると、通常は人々の好みが大きく分かれるものだ。Amazonのカスタマーレビューも、ベストセラーになればなるほど必ず星1つをつける人がいるし、平昌五輪で2連覇を達成した羽生結弦選手も「いろんなことをしゃべるほど嫌われるし、書かれるし、うそみたいな記事も出てくる」と自虐的に語っていたことがあった。

でも、現時点で小平選手にはアンチがほとんどいないのである。それは、五輪後の様々な公式行事・イベントでの立ち居振る舞いや、テレビ出演・SNSでのコメントなどから、「人柄の良さ」がこれでもかというほど伝わってくるからだろう。

この日、始球式を終えた直後のツイッターには、「#もう1頂リベンジしたい」と書かれていた。これを最初に見たときは、「一丁」の打ち間違いではないか?と思ったのだが、そうではなかった。今年のホークスのチームスローガン=「もう1頂」と掛けていたのだ!

おそらく始球式の仕事を受けた後、ホークスのスローガンを調べて、何とかしてこれを使おうと、前もってコメントを考えていたんじゃないかと思う。言われたことだけをやるのでなく、自主的にプラスアルファを加える。多忙な金メダリストの細やかな心遣い。こういうことをされて、小平選手を嫌いになるホークスファンはいないだろう。

同じスピードスケート勢では、先日、高木菜那選手が日本ハムの開幕戦で、美帆選手が首都大学リーグの開幕戦で、それぞれ始球式を行った。

菜那「練習では届いていたのでめっちゃ悔しい。左足に体重が乗り切らなかった」
美帆「次はもうちょっと真ん中に寄せたい。自信を持って投げられるくらいに練習したい」


こちらは姉妹揃ってコメントがガチなのがウケるw 別にど真ん中に剛速球を投げ込まなくてもいいんだよ・・・来てくれるだけでみんな嬉しいんだから・・・と思うのだけど、根っからのアスリート気質なのだろう。そこがまたいい!

オフに入ったメダリスト達は今、あちこちのイベントに呼ばれている。ファンとしてはしょっちゅう姿を見られて嬉しいかぎり。求道者の小平選手は、仕事として事務的にこなすのではなく、そこで出会った人たちから刺激をもらって、自分の学びに繋げそうだ。一挙手一投足、見れば見るほど、知れば知るほど好きになる、アンチのいない稀有な金メダリストである。

 

小平奈緒選手から学んだこと

強さと弱さを両方見せられる人間らしい人に、人は惹きつけられる。

 

【伊藤翔】四国IL出身のドラ3ルーキー、開幕一軍切符をゲット!

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※ 写真は「高校野球ドットコム」より

西武、ドラ3伊藤が開幕1軍!涌井以来の10代新人投手ベンチ入り(3/27 スポーツニッポンより)

 西武のドラフト3位・伊藤翔投手(四国IL・徳島)が中継ぎとして開幕1軍入りすることが26日、分かった。球団の新人投手では14年豊田以来4年ぶり、10代新人投手では05年涌井以来13年ぶりとなる。
 横芝敬愛3年時に志望届を出しながら指名漏れし、プロへの最短ルートと考えて、伊藤は四国IL・徳島入りを決断した異色の経歴を誇る右腕だ。独立リーグ在籍1年で、支配下選手としてドラフトで指名を受けたのも、06年のロッテ・角中以来11年ぶりだった。その角中は2度の首位打者に輝くなど、プロの世界で大成功を収めた。まずは伊藤にはロングリリーフを任される方針だ。牧田、シュリッターらが抜けたブルペンを、19歳の若武者が盛り上げる。

 

球春到来!いよいよ明日、プロ野球ペナントレースが開幕する。本日、出場選手登録名簿が公示され、セリーグで7人、パ・リーグで6人のルーキーたちが開幕一軍の座を掴んだ。そのうちの一人が、西武ライオンズのドラフト3位・伊藤翔選手である。

昨年3月に千葉県・横芝敬愛高校を卒業し、四国アイランドリーグplus徳島インディゴソックスへ。そこでの好投がスカウトの目に止まり、19歳で「プロ野球選手になる」という夢を叶えた。

ドラフトにかからなかった高校球児は、「大学に進学して4年後のプロ入りを目指す」か「社会人に進んで3年後のプロ入りを目指す」のどちらかの進路を選択するケースが多い。そんな中、伊藤選手が四国ILを選んだのは、独立リーグなら1年目からドラフトで指名されるチャンスがある。そこが魅力でした」

つまり、プロ野球選手」という自分が決めたゴールに、最短で辿り着けるルートを選んだのだ。3年も4年も待っていられない、大卒の保険なんていらない、1年でも早くプロに行くんだ、という強い意気込みが伝わってくる。

自由になるための第一歩は、まず力をつけること。
本当に自由になるためには不自由な期間が必要だが、
力をつけることができればあとは好き勝手やればいい。
(エリートを超える 凡人のための人生戦略ノート/森田正康)

 

一人暮らしで身の回りのことを全部自分でやって、練習の合間にアルバイトもしなければならなかった徳島時代は、伊藤選手にとってまさに「不自由な期間」だったかもしれない。でも結果的に、そこで力をつけて自由(=野球に専念できる環境)を手に入れることができた。

高卒でプロに入って年俸上限の1500万円を貰うと、お金の有り難みを実感する機会がない。いきなり球団の寮に入ると、炊事や洗濯をしなくてもいいことがどれだけ幸せかもわからない。だから1年間の武者修行は、”一人の人間”としてもとてもいい経験になったのではないだろうか。

西武ライオンズには、高橋光成選手&今井達也選手という「甲子園優勝投手」がいる。下からの突き上げがあれば、嫌でも危機感を持つのが人間というもの。高3夏の千葉大会で3回戦止まりだった後輩が起こした下剋上。エリート街道を歩んできた先輩2人にとっても、大きな刺激になるに違いない。

 

伊藤翔選手から学んだこと

自由になるためには「不自由な期間」が必要。